外出不足による
弱った脚力を鍛えよう
在宅時間が長くなり、多くの人が「運動不足」の状態です。このまま外出自粛が長期化すれば、筋力が徐々に低下し、いずれ、ロコモティブシンドローム※など、運動機能に支障をきたす恐れもあります。特に、高齢者の場合、下半身の筋力低下は、転倒~骨折~寝たきりにつながる可能性も。そうならないためにも、今回はお家で簡単にできる「脚力を鍛える運動」をご紹介します。
脚力アップ運動
「座ろうかなスクワット」
■脚力だけではなく、おしりや背筋も鍛えられて“一石三鳥”
「座ろうかなスクワット」は、その名の通り“イスに座ろうかな~”とおしりでイスを探すように行うスクワットです。「ももがイスについたら立ち上がる」という目安があるため、効果の出やすい位置までしゃがむことができます。おしりを引きながらかがむことで、脚力だけではなく、おしりと背筋も鍛えることができ、ひざへの負担を減らします。息を大きく吐きながら行うことで、血圧の急な上昇を抑えることもできます。
①椅子から拳1個分離れて、
足を肩幅より広めに開いて立つ。
②手の平を上に向け
両腕を肩の高さに上げる。
③背筋を伸ばしたままおしりを
引くようにゆっくりかがむ。
④イスにももが触れたら
ゆっくり立ち上がる。
【目安】10回
<ポイント>
❶両腕を肩の高さでキープすることで、おしりを引きやすくなります。
❷立ち上がったとき、ひざを少し曲げたままにしておくとより効果的。
NGの動作
ひざが内側に曲がった状態でスクワットを行うと、変形性膝関節症などの原因になります。必ずひざが足先の方向へ向いていくように曲げましょう。
※ロコモティブシンドローム:運動器の障害のために、立ったり歩いたりなどの移動機能が低下した状態
※この記事内容は、執筆時点2020年4月23日のものです。
黒田 恵美子(くろだ えみこ)
健康運動指導士。一般社団法人 ケア・ウォーキング普及会 代表理事を務め、メタボ予防、ロコモ予防から美容につながる運動まで、多岐に渡り指導を行う。著書に『黒田式ケア・ウォーキング』『100歳まで歩く技術』などがある。