快適な空間を保つ!リビング周り

家の中が散らかっていると、家事の取り掛かりに余計な手間が生じます。片付けやすい収納の仕組みは、毎日の家事をラクにしてくれます。この記事では、全5回を通じて家事をラクにする「ラクカジ」収納のコツをご紹介。第3回目は、リビング周りの収納についてです。

監修:

本多 さおり

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リビング周りは、家族の物が集まり
散らかりやすい

 リビング周りは、人が集まる場所だからこそ、生活用品や遊び道具など家族それぞれの物が集まり、散らかりやすくなってしまいます。物が溢れるのを防ぐためには、ラクに片付けられる収納の仕組みづくりが大切です。

リビング周りの問題点

■家族皆の物が集まりやすい

■置きっぱなし、散らかしっぱなしが増えやすい

物の置き場所を決めて、住所不定の物をなくす

 置きっぱなし、散らかしっぱなしになっている物は、置き場所が定まっていない「住所不定」の場合が少なくありません。しっかりと物の住所を決めておくことで、片付けの手間を省き家事をラクにできます。
 以下では、具体的な収納アイデアをご紹介します。

■収納場所は人の動線に沿って考える

 帰宅後、真っ直ぐリビングに向かい、ついカバンなどを置きっぱなしにしてしまうことは少なくありません。置きっぱなしにしてしまう場所は、帰宅動線に沿った置きやすい場所といえます。カバンなどの外から持ち帰るものは、あえてその動線上に収納場所を設けることが有効です。まずは片付けの習慣が自然と導かれる、無理のない仕組みづくりが大切です。

■細かな物は、小箱などを物の住所に

 リビングを中心に部屋が散らかる原因は、「その辺に」「適当に」置いてしまうこと。細かな物ほど、つい置きっぱなしにしてしまいがちです。「決まったところ」に置けるように、細かな物は、小箱やトレイなどを用意し、物の住所を定めてあげましょう。

■壁面も収納場所の一つ

 壁や棚の側面などにフックを付ければ収納場所に早変わり。帰宅後、リビングの片隅に置きっぱなしのカバンなどの置き場所をつくることができます。吊るしておけば、床を掃除するときに物を動かす手間を省くことができます。

■電源タップは浮かせる

 電源タップは床や棚に置かず、側面か裏面に取り付けるのがおすすめ。マジックテープなどで貼り付けて浮かせるだけで、コードが重力で整然とするので絡まりにくくなります。また、床や棚のホコリをサッと掃除しやすくなります。

■掃除用具はすぐ使えるように、オープン収納

 掃除は計画を立てて頑張るより、気付いたときにサッとやってしまうほうが、気持ちも作業もラクです。そのために大事なのは、掃除用具が簡単に手に取れること。掃除用具をまとめて収納するのではなく、それぞれの使う場所に収納しましょう。棚にはハンディワイパー、テーブルにはウエットティッシュなど、使う場所の近くに収納することで、取ったり戻したりに無理がなく、掃除の習慣化を助けます。

■フックやワゴンで、テーブル横に収納スペースを確保

 リビングやダイニングにあるテーブルは、勉強をしたり書き物をしたりなど様々な作業をすることもある場所。しかし、収納スペースがないため、文具やティッシュ、リモコン、爪切りなどの細かい物まで置きっぱなしになりがちです。そこでテーブルの横に吊るす用のフックや小さなワゴンを設置してみましょう。こうすることで、作業道具を現場にスタンバイすることができ、テーブルのリセットが簡単にできます。

■テレビボードには、テレビ関連以外の物も収納

 テレビボードには、テレビ関連の物だけをしまい、スペースを持て余している、という家庭が少なくありません。テレビボードも一つの収納家具として有効活用しましょう。低い位置に収納スペースがあるので、コロコロやアイロンなどの床で使う物をしまうのに向いています。乳幼児がいる家庭は、おむつの収納場所にするのもおすすめです。

まとめ
 リビング周りは家族が集まり、長い時間を過ごすため、物も集まりやすく散らかりやすい空間です。物でごちゃついた空間ではリラックスが難しく、掃除をするにも一苦労。家族の共有物もそれぞれの私物も、使った人がリセットしやすい、動線に沿ったラク優先な収納の仕組みが大切です。家族みんなが快適な空間に保てるよう、使う物や場所をよく観察しながら、1歩でもラクに出し入れできる動線重視の収納場所を考えてみてください。

※この記事内容は、執筆時点2024年6月12日のものです。

本多 さおり(ほんだ さおり)
整理収納コンサルタント。1984年生まれ。フルリノベーションした中古マンションで夫、長男(8)、次男(6)の4人暮らし。「生活重視ラク優先」をモットーに、収納で大事にしているのは、ラクに片付いて家事がしやすい仕組みづくり。近著は『無印良品と365日』(大和書房)。

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