ちりも積もれば山となる
我が家を節約体質に

節約をしようとしても、長く続けられなかったり、続けていても思ったほど貯まらなかったりしませんか?今回は、節約を長く続けるためのコツと、すぐに始められる具体的な節約の仕方をご紹介します。

監修:

和田 由貴

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無理のない節約のために
意識したい7つのルール

 我慢をしながら節約をしていると、長く続けるのが難しくなります。ダイエットに当てはめてみると思い当たる方も多いのではないでしょうか。家計にも同じことが言えます。無理に節約するよりも、少しずつでも長く続ける方が、節約の効果は高くなるのです。
 無理をせずに長く続けるためには、「7つのルール」を意識することがポイントです。例えば、「買う動機が『価格』なら買わない」こと。節約しているつもりで貯まらない人の多くが、「価格」を理由に買い物をしています。本来、買い物は「必要」だからするもの。必要なものを購入することは、暮らしを豊かにしてくれるだけでなく、心までも満たしてくれるものです。
 「節約=ケチ」と考える人もいるかもしれません。しかし、節約は、暮らしも心も豊かにしてくれる方法の一つでもあります。
 また、食材を無駄なく必要な分だけ消費することは、食品ロスの削減につながりますし、節電や節水などの省エネは、資源の消費削減につながる環境にもやさしい行動でもあるのです。
 下記の7つのルールを参考にしながら、日常の意識を変えて、ぜひ効果的な節約に取り組んでみましょう。

節約体質をつくる

7つのルール

① 買う動機が「価格」なら買わない

「安いから」ではなく、「必要だから」というものを買いましょう。

②「節約のハードル」を上げ過ぎない

高い目標設定は長続きしません。まずは支出の見直しから始めてみましょう。

③「あったら便利」は「なくても平気」

便利なものはなくても平気。絶対に必要だと思うものを買えば問題ありません。

④「なんとなく」でお金を使わない

金額が妥当か、今必要かどうかなど、常に考えてからお金を使いましょう。

⑤「貯蓄は先取り」で

夫婦と子ども世帯の場合、収入の8〜12%を目安に貯蓄額を決めましょう。

⑥ お金を「使えない状態」にする

定額預貯金など、手続きなしでは引出せない状態にすると貯めやすくなります。

⑦「費用対効果」を考えて買う

数回しか着ない安物より、多少高価でも何年も着れる方が長い目で見るとお得です。

一度の実施でずっと節約
まずは固定費の見直しから

 節約の意識を改めたら、まず行うべきは「固定費」の見直しです。毎月必ず掛かる、家賃や住宅ローン、生命保険や火災保険などの保険料、インターネットやスマホの通信費、電気・ガス・水道料金の光熱費などがこれに当たります。プランが自分の生活に合っているか、今より安くならないか見直してみましょう。よく目にする節約術は、生活の中で行動を変えなければならないため、実はハードルが高いもの。固定費の見直しは、節約効果がずっと続くので、実践しやすい節約方法です。
 「そうは言っても、調べるのは手間がかかるし、費用も大して変わらないだろう」と思うかもしれません。しかし、その「面倒」と、〇〇だろうという「思い込み」が節約の敵なのです。この2つは、ついつい自分の中で支出を正当化してしまう理由になりやすいのです。
 固定費の変更手続きは、ホームページでの申し込みや電話一本で済むことも多くあります。契約先のホームページや問い合わせ先から、ぜひ一度確認してみてください。次からは、日々の生活の中で実践できる、具体的な節約のポイントを紹介していきます。

<コラム>

キャッシュレス決済は節約になる!?


 ここ数年で多くの方が使うようになった「キャッシュレス決済」。ポイントが貯まり、お得なだけでなく、支出管理にも役立てることができます。現金で購入した場合、レシートでしか支払い金額を確認できません。しかし、キャッシュレス決済では、データとして残るため、スマホやパソコンから確認しやすくなります。
 また、家計簿アプリなどと連携することもできるため、支出を管理しやすくなっています。
 しかし、現金より使い過ぎてしまう方もいます。そういった方は、使い方のルールを決めましょう。例えば、オートチャージ式の「ICカード」は交通費のみ使用、月の限度額を設けるなどです。キャッシュレス決済は、上手に活用すると節約の味方となってくれます。

※この記事内容は、執筆時点2022年8月1日のものです。

和田 由貴(わだ ゆうき)
節約アドバイザー。消費生活アドバイザー、家電製品アドバイザー、食生活アドバイザーなど、幅広く暮らしや家事の専門家として多方面で活動。環境カウンセラーや3R推進マイスターに委嘱されるなど、環境問題にも精通する。節約は、無理をしないで楽しく!がモットーで、耐える節約ではなく快適と節約を両立したスマートな節約生活を提唱している。

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