自然災害で住家に
大きな被害を受けたときは

自然災害で住家に大きな被害を受けた際、公的な支援として「被災者生活再建支援制度」があります。これは、災害で著しい被害を受けた地域の方に対して、生活再建のためのスタート資金を支給するものです。どんな時にどの程度支給されるのか、ぜひ知っておきましょう。

監修:

清水 香

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全壊などの場合、
最大300万円までの支援がある

 1市区町村において10世帯以上が全壊となった災害などで、居住する住宅が全壊または大規模半壊となった世帯には、「被災者生活再建支援制度」による支援金が支給されます。

 支援金は住宅の壊れ具合に応じた「基礎支援金」と、住宅再建に応じた「加算支援金」の2種類で、両方を合わせた支給額は最大300万円です。
 支援金は住まいに深刻な被害を受けた世帯に向けた生活再建のスタート資金と位置づけられるもので、持ち家世帯だけでなく賃貸入居世帯も対象です。使い道は自由で、災害弔慰金や火災保険金など、ほかの給付とも関係なく受け取れます。

 申請期限は、基礎支援金が災害発生日から13カ月、加算支援金が37カ月以内(延長される場合あり)。被災時に実際に居住していた世帯が対象ですから、空き家や別荘、賃貸オーナーが所有する物件などは支給の対象外です。
 問い合わせ先は、各市区町村となります。

■被災者生活再建支援制度

浸水の場合は
「床上1.8m以上」で全壊と認定

 罹災証明書の交付にあたり行われる被害調査については、地震、水害、風害など、災害ごとに調査方法や認定基準が定められています。
 たとえば、水害における床上浸水では、床上1.8m以上の浸水となった場合が全壊と認定されます。一方、1m未満の浸水は半壊と認定され、支援金の対象になりません。準半壊や、一部損壊と認定される床下浸水も対象外です。
 被害を受けても、一定以上の損害に満たなければ、支援金が支払われないことを知っておく必要があります。

■浸水の深さによる罹災証明書の
 被害程度と被災者生活再建支援金

<コラム>

公的支援には限界があるため
自助努力が必要


 私有財産は自己責任での回復が原則とされる中、住宅再建は地域社会の再建でもあるとして、あくまで側面的な支援という位置付けでできた制度が「被災者生活再建支援制度」です。そのため支給額は最大でも300万円と限界があります。大切な我が家を守るためにも、余裕資金の蓄えや共済・保険など、事前の自助(準備)についてもぜひ考えておきましょう。

※この記事内容は、執筆時点2020年8月1日のものです。

清水 香(しみず かおり)
1968年生まれ。FP&社会福祉士事務所OfficeShimizu代表、株式会社生活設計塾クルー取締役。生活者向け相談業務のほか、執筆、講演など幅広く展開、TV出演も多数。財務省の地震保険関連の政府委員を歴任、自由が丘産能短期大学講師、日本災害復興学会会員。

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