被災したらまず
はじめにすることは

万が一、住まいが被害を受けたとき、何から手を付ければ良いのでしょうか?家の片付けや修復作業に取り掛かりたくなる方も多いかもしれません。しかし、その前にまずやっておきたいのが、被害程度を証明する「罹災(りさい)証明書」の取得です。ここでは、生活再建の第一歩となる「罹災証明書」についてまとめました。

監修:

清水 香

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支援を受ける際は
「罹災証明書」が必要

 被災後の生活再建にあたり、まずすべきは「罹災証明書」の交付手続きです。市区町村が住宅の壊れ具合を個々に判定、被害の程度を証明する書類で、持ち家・賃貸を問わず公的支援を受ける際にはまず必要になります。共済や保険の請求時にも、一部求められる場合があります。
 本人または同居の家族(家族以外は委任状が必要)が、被災後原則1カ月以内に居宅のある市区町村に申請します。その後、市区町村の職員などが住家を訪ねて確認する住家の被害認定が行われます。

最大2回まで再調査も可能

 罹災証明書に記載される被害の程度は、「全壊」「大規模半壊」「中規模半壊」「半壊」「準半壊」「準半壊に至らない(一部損壊)」と6区分で、区分により受けられる公的支援の内容が変わります。判定結果に疑問があれば、それを知った日から3カ月以内は最大2回まで再調査を受けられます。

■ 罹災証明書の区分

被害状況の記録は欠かさずに

 広域災害になると多くの世帯が被災するため、罹災証明書の申請・交付手続きが速やかに進まないことがあります。また共済金や保険金の請求では、調査員が被害宅に出向いて損害調査が行われますが、訪問に時間を要することもあります。被災後、損害状況の確認を受けずに片付けてしまうと、どのような損害を受けたか、証明できなくなってしまいます。いずれ調査員の訪問を受ける場合でも、まずは被害状況の写真を撮っておくことをおすすめします。

一部損壊は写真による判定もOK

 屋根瓦や窓ガラスの破損など、一部損壊に該当する小さな被害だけの場合は、市区町村職員の現地調査を受けることなく、写真判定のみで罹災証明書の交付を受けられます。

<コラム>

被害状況を記録する
写真の撮り方


■全景と被害部位を撮影

 自宅が被災したら、片づける前に被災を受けた状況を写真に撮り記録をしておきましょう。まずは被災した自宅の全景を撮影します。できれば4方向から撮り、表札や屋号も合わせて撮ります。次に被害を受けた部分を撮影します。被害の具合がわかるように近景と遠景それぞれ写します。いろいろな角度からできるだけ数多く撮影をして状況がわかるようにしておいてください。なお、写真を撮る際は安全を確かめたうえで行いましょう。

■浸水の場合の撮り方

 自宅が浸水被害にあったときは、浸水跡にメジャーをあてて撮影をします。室内の浸水の深さがわかるように撮りましょう。遠景だけでなくメジャーの目盛を読めるよう、近くに寄った写真も撮っておくのがポイントです。

※この記事は、都道府県民共済グループ発行「災害時のお金ハンドブック」の抜粋です。
内容は、執筆時点2024年8月1日のものです。

清水 香(しみず かおり)
1968年生まれ。FP&社会福祉士事務所OfficeShimizu代表、株式会社生活設計塾クルー取締役。生活者向け相談業務のほか、執筆、講演など幅広く展開、TV出演も多数。財務省の地震保険関連の政府委員を歴任、自由が丘産能短期大学講師、日本災害復興学会会員。

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