家計見直しのポイント①
家計決算書をつくって
支出の中身を把握

人生100年といわれる今、老後の生活、中でも「お金」について心配されている方が多いようです。この不安を少しでも解消するために「老後のお金を守る」をテーマに、専門家のアドバイスをシリーズでお送りしています。今回は、家計見直しのポイントについてご紹介します。

監修:

深田 晶恵

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支出は「口座引き落とし」と
「お財布」の2つに分けるだけ

 現役時代にできるだけ多くの老後資金をつくるには、暮らしを見直して「貯める力」を最大限高める必要があります。その第一歩が「家計決算書」をつくることです。決算書などと聞くと、「家計簿さえつけていないのに無理…」と思うかもしれません。しかし、図表のような簡易的なシートを利用すれば誰でも簡単に決算ができます。
 まず、支出の出所は「お財布」か「銀行口座引き落とし(クレジットカード払いを含む)」のいずれかです。「口座引き落とし」は、通帳やカードの請求明細を見れば、使った金額を把握できます。家計簿をつけていないと把握できないのは「お財布支出」のみです。そこで、お財布から出ていった現金は、何に使ったのか明細を気にせず、「お財布支出」でまとめてしまいます。

早い段階の見直しで
「貯める力」をつける

 住居費や車の維持費などは何らかの明細が残っていたり、まとまった出費であれば覚えていたりするのでシートを埋めていくことが可能です。
 このシートを埋めることが「現状把握」につながり、「お金が貯まる家計」への第一歩になります。例として、定年前後でありがちな決算も示しました。どちらも「基本生活費」が膨らんでいます。早い段階で見直しをして、「貯める力」をつけていきましょう。

※「家計見直しのポイント②一度見直せば効果が継続する「固定費」を優先的にカット」もご覧ください。

※この記事内容は、執筆時点2023年8月1日のものです。

深田 晶恵(ふかた あきえ)
ファイナンシャルプランナー(CFP®)。会社員を経て、1996年にFPに転身。すぐに実行できるアドバイスをするのがモットー。近著に「まだ間に合う! 50代からの老後のお金のつくり方」(日経BP)などがある。

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