被災後に住宅ローンが
返せなくなったら

自然災害などで自宅が被災したにも関わらず住宅ローンは残ったままというケースがあるようです。こうした経済的な負担を軽減するための制度について知っておきましょう。

監修:

清水 香

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ローンの「返済猶予」と「減免制度」

■当面は支払い猶予が受けられる

 住宅ローンの返済に困ったときは、当面の返済猶予や、返済方法の変更が可能です。罹災証明書を携え、銀行に被災した旨の申し出を。融資銀行のほか、旧住宅金融公庫で融資を受けた人は住宅金融支援機構にも相談できます。

■それでも厳しいときは
 「住宅ローン減免制度」も

 ただ、支払い猶予を受けても住宅ローンはなくなるわけではありません。返済不能が確実なら「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」によるローン減免の相談を受けることも検討しましょう。
 これは住宅ローンや事業用ローンを利用している個人を対象に、自己破産をせず、災害弔慰金被災者生活再建支援金、および500万円程度の自己資金を手元に残し、ローン減免について相談できるものです。個人信用情報(ブラックリスト)に登録されたり、保証人に請求されることもありません。手続き支援は弁護士などの専門家が行いますが、弁護士費用は公費で賄われ無料です。弁護士会の被災者向け法律相談で問い合わせてみてもよいでしょう。手続きはメインバンクに直接出向いて申し出ます。

◆住宅金融支援機構「被災された方への返済方法変更について
◆政府広報オンライン「自然災害債務整理ガイドライン

※この記事は、都道府県民共済グループ発行「災害時のお金ハンドブック」の抜粋です。
内容は、執筆時点2024年8月1日のものです。

清水 香(しみず かおり)
1968年生まれ。FP&社会福祉士事務所OfficeShimizu代表、株式会社生活設計塾クルー取締役。生活者向け相談業務のほか、執筆、講演など幅広く展開、TV出演も多数。財務省の地震保険関連の政府委員を歴任、自由が丘産能短期大学講師、日本災害復興学会会員。

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