きちんと知っておこう!勤務先の福利厚生制度
勤務先から受け取るのは給料だけではありません。多くの企業は「福利厚生制度」を設けており、従業員とその家族の福祉のために取り組んでいます。あなたの勤め先ではどんな福利厚生制度が受けられるか、ご存じですか?
公的保障の上乗せと独自制度
福利厚生制度のひとつの柱は公的保障の上乗せ。高額療養費制度や傷病手当金の内容は、法律により決められた「法定給付」による最低限の保障ですが、「付加給付」がある健康保険組合の加入者は、さらに保障が手厚くなっています。たとえば、「自己負担額が2万5,000円を超えた場合、超えた部分を付加給付」という高額療養費の付加給付がある健保組合であれば、実際に負担する医療費は2万5,000円で済んでしまいます。また、傷病手当金の付加給付としては、法定給付に上乗せした「付加金」や、1年6カ月の法定給付支給期間終了後に給付される「延長傷病手当金」などの例があります。
もうひとつの柱は、勤務先が独自に用意している制度。従業員や職員だけが受けられる家賃補助、健康診断、ランチの補助、保養所の利用などです。
■カフェテリアプラン
最近では「カフェテリアプラン」という、用意された福利厚生メニューの中から好きなものを選ぶ制度を導入しているところが増えています。この制度では、勤務先が一定額のポイントを従業員・職員に分配し、メニューごとに決められたポイントを使って利用することになります。資格取得など自己啓発の費用補助、レジャー補助、スポーツクラブ利用補助などのメニューも豊富で、数多くの中からそれぞれのライフスタイルに合ったメニューを選べる点がメリットです。
※この記事は、都道府県民共済グループ発行「公的保障がわかる本」の抜粋です。
内容は、執筆時点2024年8月1日のものです。
浅田 里花(あさだ りか)
ファイナンシャルプランナー、株式会社生活設計塾クルー取締役。コンサルティングや新聞・雑誌などへの原稿執筆、セミナー講師を行う。東洋大学社会学部の非常勤講師としても活躍。代表的な著書に『Q&Aで学ぶライフプラン別営業術』(近代セールス社)など。