集中力が上がる!免疫力が上がる!
朝ごはんは、こんなにスゴイ!
皆さん、朝食は毎日とっていますか?太りそう、寝ていたいなどの理由で抜いていたが、“明日からきちんと食べよう!”と思える、朝食のスゴサをご紹介します。
朝食をとらないと
栄養不足になりやすい
毎日を元気に過ごし、長期的に健康を維持していくためには、朝食をきちんととることがとても大切です。たとえば、朝食を抜くと、脳の活動に必要なエネルギーや栄養素が不足し、集中力を十分に発揮することができません。さらに1日2食になることで、体の機能維持に必要な栄養を摂取することが難しくなり、感染症にもかかりやすくなります。
たんぱく質やビタミンを
意識して摂取しよう
朝食で摂取したい栄養素の筆頭は「たんぱく質」です。たんぱく質は、筋肉や免疫細胞、血液、ホルモンなどを合成する材料や、活動時のエネルギー源になるので、不足するとさまざまな不具合が生じます。たとえば、免疫システムの維持力が弱まる、筋肉量が減って基礎代謝が下がり、太りやすくなるなど。子どもは、体の成長のためにたんぱく質を多く必要とするので、不足すると成長に支障をきたす可能性もあります。シニア世代では、運動器症候群や加齢による虚弱を引き起こします。
さらに、集中力を上げるために朝食でとりたいのは、「ビタミンB群」「鉄」「亜鉛」です。これらは脳を活性化するのに必須で、ビタミンB群が不足すると集中力や記憶力が低下し、イライラしやすくなります。鉄や亜鉛は、たんぱく質やDNAの合成、感情のコントロール、記憶力を保つのに必要な神経伝達物質の生成などに必要です。なお、「糖質」は脳のエネルギーとして必要ですが、血糖値の上昇や肥満の原因にもなるので、量は控えめにしましょう。
免疫力を高めるには、のどや鼻、消化器官などの粘膜にある免疫細胞の働きを保つ「ビタミンA」、抗酸化作用が強力な「ビタミンCやE」、粘膜で免疫の攻撃や防御を統制する「ビタミンD」が重要です。これらが不足すると、感染症にかかるリスクが高まります。ビタミンDは、紫外線を浴びると皮膚で活性化されますが、日光を浴びる機会の少ない現代人は欠乏しやすいので、食事から積極的に摂取する必要があります。また、亜鉛は、抗酸化物質の活性作用があり、細胞にダメージを与える活性酸素を除去してくれます。
下で紹介する「理想的な朝ごはんの例」のように、卵や鮭などの主菜と、いろいろな野菜を入れた汁物を組み合わせて、「わが家の定番メニュー」を決めておくと、メニューに悩まなくていいのでおすすめです。
理想的な朝ごはんの例
※この記事内容は、執筆時点2021年8月2日のものです。
大塚 亮(おおつか りょう)/医学監修
おおつか医院院長。医学博士、循環器専門医、オーソモレキュラー ニュートリションドクター(OND)認定医。大阪市立大学医学部附属病院循環器内科、Columbia University Irving Medical Center, New York Presbyterian Hospital等を経て現職。著書に『お医者さんが薦める免疫力をあげるレシピ~かんたん美味しくがん&ウイルス対策』(三空出版)等がある。
柴田 真希(しばた まき)/料理監修
管理栄養士。女子栄養大学短期大学部卒業後、給食管理、栄養カウンセリング、食品の企画開発などに携わり、独立。現在、TV番組の料理コーナー出演、出版・Web媒体へのレシピ提供、食品メーカーや飲食店のメニュー開発やプロデュースなどを手がける。『知識ゼロからのスーパーフード入門』(幻冬舎)他、著書多数。