本当に必要なものは?
避難時に役立つ「持ち出し袋」

災害等で避難する際、必要なものをすぐに持ち出せるようにしていますか?優先順位をつけて、ひとまとめにしておくことで、状況に応じて持ち出すものをアレンジすることができます。チェックリストを参考に準備しておきましょう。

監修:

澁川 真希

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「持ち出し袋」の中身は家族全員で把握し、定期的にチェックを

 「非常用持ち出し袋」は準備してあるものの、買ったまま放置していていざ開けてみたら賞味期限や使用期限が切れていた、乾電池が液漏れして使えなかったという人や、本当に家族に“必要なもの”が入っていないというケースも。子どもや高齢者がいる家庭など、家族構成や環境により持ち出し袋に必要なものは変わります。下のリストを参考に家族で必要なものを話し合い、最低限1年に1回以上は家族で定期的にチェックする日を設けましょう。また、キャリーケースは地震や豪雨などの災害時にはうまく運ぶことができません。持ち出し袋は両手が使え、重い荷物でも容易に担ぐことができるリュックサックタイプをおすすめします。

持ち出し袋を作る時のポイント

①「持ち出せる重さ」を重視しよう

 持ち出し袋を作る時「あれもこれも必要かも……」と考え、どんどん荷物が多くなりがち。しかし避難に支障が出る重さでは、逆に危険を招いてしまいます。持ち出し袋はまず「最初の1日間」を乗り越えるものと考えて一次持ち出し袋を作り、食料や水、着替えなどは持って移動できる重さを考えてプラスを。女性なら10kg、男性なら15kgを目安に。高齢者は3kg程度に留めておきましょう。

②まずは「市販品にプラスα」でもOK

 これから持ち出し袋を準備するという人は、まずは市販品を買い「自分たちが必要なものを加えていく」という方法でもいいでしょう。市販品の大半は最低限必要なものが入っているので、そこに着替えや医薬品、子どものためのものなど、家族や自分の状況に応じて、生きていくのに欠かせないものを加えていくと作りやすくなります。

③「入っているものリスト」を共有しておこう

 例えば通帳など、日常的に使う貴重品は別の場所にまとめておくほうが効率的(コチラを参照)。持ち出し袋は「何が入っているか」を常にリスト化しておき、いざ持ち出す時に何をプラスするべきか、何を優先的にプラスするかなどを家族で把握しておくこと。紙に書き出しておけば、いざという時も冷静に行動が可能に。

④避難所生活のための「二次持ち出し袋」も

 浸水などで避難所生活が長期間になることが想定される場合は、着替えや生活用品、タオル、食料など避難所生活で使うものを多めに入れた「二次持ち出し袋」も用意しましょう。家の中の浸水しない高さの場所に備えておけば、避難したあとで余裕ができた時に、安全確認しながら取りに戻れます。

持ち出し袋の中身リスト

 まずは「避難の最初の1日間」を乗り切ることを想定して揃えていきます。また、持ち出すものの優先順位をつけておき、災害時の状況や、避難までどのくらい時間があるかなどで選択を。下記リストは一例ですので、家族の状況に応じてアレンジをしていきましょう。

家庭の状況によって「追加するもの」を決めよう

 上の基本の持ち出しアイテムに加え、家族構成によってアレンジをしておきましょう。この中で「持ち出し袋に入れておくもの」と「持ち出し袋に追加するもの」を分けてリスト化しておくとよりスムーズに。特に「赤ちゃん・子ども」用品は、避難時に追加して持ち出すようにしましょう。

※この記事は、都道府県民共済グループ発行「命を守る防災ハンドブック」の抜粋です。
内容は、執筆時点2024年8月1日のものです。

澁川 真希(しぶかわ まき)
整理収納アドバイザー。整理収納サービス「コンフォートスタイル」代表。2012年、仙台から東京へ転居。東日本大震災での自身の被災経験をもとに「減災整理セミナー」などを開催している。

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