被害をできるだけ小さく
災害別「減災」のすすめ vol.4
ある日突然、何の前ぶれもなくやってくる自然災害。その規模を事前に知ることは困難であり、私たちの日常の脅威となり得るものです。そこで知っておきたいのが、災害による被害をできるだけ小さくするための取り組み=「減災」。ここでは、内閣府(防災担当)が作成しているリーフレット「みんなで減災」に掲載されている内容を災害別にご紹介していきます。シリーズでご紹介する減災対策の第4回目は「地震」への備えです。前編・後編と2回に分けて掲載します。
日本は地震大国
日本には約2,000の活断層があるといわれています。活断層とは、最近の地質時代に繰り返し活動し、将来も活動する可能性のある断層のこと。つまり、日本のどこにいても地震に遭遇する可能性があるといえます。
防災マップ(ハザードマップ)で
被害の程度を予測しておきましょう
地震の揺れの大小は、地盤の固さによって変わります。地盤がやわらかいところでは、小さな地震でも揺れが大きくなります。
各自治体では、災害により各地域で予測される震度や津波の高さ、被害の程度、被災時の避難場所や避難経路などの情報をわかりやすく示した「防災マップ」や「ハザードマップ」などの資料を作成しているところもあります。地面の揺れやすさを示した「揺れやすさマップ」もその一つです。手元にない方は、お住まいの自治体のHPか窓口で確認してみてください。
いざというときにすぐ取り出せるよう、これらの防災マップ等は大切に保管しておくことをおすすめします。
緊急地震速報を見聞きしたら
緊急地震速報は、強い揺れが来ることを気象庁が事前に警告するものです。テレビやラジオ、スマートフォンなどで警報音が鳴り、すばやく地震情報が知らされます。緊急地震速報を見聞きした際は、まわりの人に地震が来ることを知らせながら、あわてずに身の安全を確保することを優先しましょう。
緊急地震速報後にどう行動するべきかをシミュレーションできるウェブサイト、内閣府「防災シミュレーター」もぜひ参考にしてください。
場所によって異なる「身の守り方」
緊急地震速報を見聞きした場合や、地震の揺れを感じた場合にとるべき行動は、そのときにあなたがいる場所によってそれぞれ違います。生活パターンの中のいくつかの場面を想定して、万一の際に適切な行動をとれるように心の準備をしておきましょう。
■ご自宅にいる場合
・頭を保護し、丈夫な机の下などに隠れる
・あわてて外に飛び出さない
・無理をして火を消そうとしない
■人が大勢いる施設にいる場合
・係員の指示に従う
・カバンなどで頭を保護する
・ワレモノの陳列棚から離れる
・あわてて出口に走り出さない
■エレベーターの中にいる場合
・最寄りの階に停止させ、すぐに降りる
■山やがけ付近にいる場合
・落石やがけ崩れが発生しそうな斜面から離れる
■屋外にいる場合
・ブロック塀など倒れてきそうなものから離れる
・看板やガラス窓から離れる
・頑丈なビルのそばにいる場合は、ビルの中に入る
■自動車を運転している場合
・あわてて急ブレーキはかけず、ゆるやかに速度をおとす
・ハザードランプを点灯し、まわりの車に注意を促す
■鉄道やバスに乗っている場合
・つり革や手すりにしっかりつかまる
参考:内閣府防災情報のページ「みんなで減災(減災啓発ツール)」
※こちらの記事もぜひご覧ください。
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※この記事内容は、執筆時点2020年12月2日のものです。