老後の保障だけではない
知っておきたい年金の仕組み
老後の制度と思われがちな年金ですが、その他にも、病気やケガが原因の障害で働けなくなった時や配偶者が亡くなった時などに、私たちの暮らしを支えてくれるものです。ぜひ知っておきましょう。
日本の公的年金制度
公的年金とは、日本に住んでいるすべての人が加入を義務づけられている制度です。現役世代が納付する保険料を高齢者に給付する世代間の支え合いで成り立っています。年金の種類は2つ。20〜60歳未満のすべての人が加入して受け取る年金を「A国民年金(基礎年金)」、会社員や公務員が受け取る年金を「B厚生年金保険」といいます。会社員や公務員は国民年金と厚生年金保険の両方に加入しています。そして、被保険者などが「①老齢になった場合」「②障害を負った場合」「③死亡した場合」のいずれかに該当した際、一定の要件を満たした人に国から年金が支給されます。
年金給付の種類
老齢年金
原則65歳から支給される、老後の暮らしを支えるための年金。20〜60歳になるまでの間に、保険料の納付済期間・免除期間・合算対象期間(カラ期間)が合計10年以上ある人を対象に支給されます。国民年金は保険料納付済期間などに応じて年金額が異なります。厚生年金保険は給与などで年金額が、生年月日と性別によって受取開始年齢が異なるのでチェックしましょう。
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障害年金
「年金=老後の制度」と思われがちですが、病気やケガが原因の障害で働けなくなり、収入が途絶えたとしても、公的年金制度が暮らしをサポートしてくれます。支給される年金額は障害の等級によって異なり、白内障や認知症、そううつ病、糖尿病など、身近な病気も対象になります。該当するにもかかわらず障害年金を受け取っていない方は、障害年金の対象となる疾病や受給要件などを確認しましょう。
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遺族年金
「働き盛りの夫に先立たれ、経済的に厳しい…」。そんな万が一の場合、遺された妻や子どもたちの暮らしを支えるのが遺族年金です。以前、遺族基礎年金は母子家庭のみが支給対象でしたが、2014年4月からは父子家庭(子のある夫)も支給対象になるなど、時代のライフスタイルの変化とともに法改正されています。遺族年金の年金額や受給要件、請求手続きなどをご確認ください。
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※記事内容は、執筆時点2019年8月1日のものです。
望月 厚子(もちづき あつこ)
大手生命保険会社と独立系ファイナンシャルプランナー会社を経て、フリーとして独立。現在は社労士として活躍しながら、年金事務所(日本年金機構)の相談員も行っている。