目指そう!家事の頼り上手
第2回 家電やサービスで家事負担を軽減!

家事と仕事を並行して行うことが大きな負担に感じている人は少なくありません。両立させることは大切ですが、無理をしているとどちらもうまくいかなくなってしまいます。すべてを一人でこなそうとせず、家族の力や時短テクニック、便利グッズ・家電、家事代行サービスに頼ることも考えてみましょう。第2回目では、便利グッズやスマート家電、家事代行サービスで家事の負担を軽減する方法をご紹介します。

監修:

本間 朝子

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「便利グッズ」でラクになる家事

 日々の家事に充てられる時間や労力は限られています。少しずつでも時短できれば、その分を他の作業や休息に充てることができます。
 最近では家事を効率化してくれる多種多様な「便利グッズ」があるので、頼らない手はありません。適切なグッズを揃えて家事の負担軽減に生かしましょう。以下では便利グッズの一例をご紹介します。

●紐を引っ張るだけでみじん切り「チョッパー」

食材を切るのが苦手だったりストレスを感じる方には、紐を引っ張るとみじん切りができるチョッパーが便利です。紐を引っ張ってもらえばいいので子どもに家事参加をしてもらいやすいですし、涙を流しながら玉ねぎを切らなくても良くなります。洗う時は中に洗剤と水を入れて紐を引っ張ってグルグルと攪拌するときれいになります。

●掃除の頻度を減らす「排水口ヌメリ予防グッズ」

頻繁に掃除しているつもりでも、キッチンや浴室の排水口に発生してしまう厄介なヌメリ。「ヌメリ予防剤」を使えば、きれいな状態を長くキープでき、掃除の頻度を減らすことができます。排水口に置いておくだけで汚れをガードしてくれるものや、排水口のカバー型のものなど様々なタイプがあります。

●歩くだけで掃除できる「おそうじスリッパ」

床の拭き掃除に手が回らない人は、おそうじスリッパで歩きながら掃除をしてしまうのもおすすめです。昔のものは見た目が明らかに掃除用品だったり、モップの手入れも面倒でしたが、今はモップだけを外して洗濯機で洗えたり、スタイリッシュなデザインのものも出ているので、格段に使いやすくなりました。

●チンで簡単に作れる「電子レンジ調理器具」

シリコンスチーマー、電子レンジ圧力鍋、電子レンジ炊飯器、パスタ調理器など、チンするだけで多彩な料理が作れる「電子レンジ調理器具」。調理の手間を大幅に削減できるだけでなく、ガス台が空くので、同時進行で別の料理を作れるというメリットもあります。

●衣類のシワを防ぐ「洗濯ネット」

シャツなどのシワが防げる洗濯ネットを使えば、アイロンがけの時間や手間を省けます。シート状のネットで衣類を挟んでくるっと巻いて洗濯するだけで、シワなくきれいに仕上がるので、乾いたらすぐに着用できます。パンツやスカート用もあり、制服や仕事服の洗濯にも便利です。

便利な「スマート家電」でラクになる家事

 長く使っている家電がある家庭では、最新の物へ買い替えるだけで家事がラクになる場合があります。ここ10年ほどでも、冷凍の手間なく肉・魚を長期保存できる冷蔵庫やワンタッチで料理を完成させてくれるオーブンレンジや電気圧力鍋など、便利な機能を持つ家電が登場してきました。しかも、省エネで電気代の節約につながることもあるので、家電の買い替えも検討してみると良いでしょう。
 また、最近では、家事の負担を軽減してくれる「スマート家電」が各メーカーから登場しています。スマート家電は家事スキルや知識がなくても使えるものが多く、家族間で家事をシェアするのにも最適です。家電の購入時にはお金が掛かってしまうものの、必要と感じたものは家族で話し合いをした後に取り入れ、家事の負担軽減を目指しましょう。以下では、スマート家電の一例をご紹介します。

●洗濯乾燥機

 洗濯機を回す度に干して取り込むのは手間が掛かるうえに、悪天候が続くと洗濯ものが乾きません。「洗濯乾燥機」を導入すれば、「干す」というステップが短縮でき、取り出した洗濯物を畳んで収納するだけで家事が完了できます。また洗濯乾燥機は、機種や電気の契約先・プランによっても異なりますが、1回当たり20~50円程度の電気代で利用できます。

●ロボット掃除機

 「ロボット掃除機」を使えば、今まで掃除機を掛けていた時間を短縮できます。機種によっては、1台で水拭きと吸引をできるものや、ゴミ捨ての手間が掛からない物など種類も様々です。最近は10,000円前後のリーズナブルなロボット掃除機も増えており、購入しやすくなっています。

●食器洗い乾燥機

 「食器洗い乾燥機」は洗いから乾燥まで自動で行ってくれるため、活用すればその手間を大きく減らすことができます。これまではキッチンに置くのが前提だったため、スペースや設備の関係で設置できないケースもありましたが、今は手動で給水したり、バケツなどに排水できる置き場所を選ばない機種も出ており、設置できる範囲が広がりました。

●スマート調理家電

 自動調理機能が付いた「スマート調理家電」は、下ごしらえした材料を入れるだけであとはお任せできる優れ物。スマートフォンのアプリから、作りたいレシピを選択して家電に送信すると、火加減を調整しながら加熱したり、保温してくれます。家電を少し操作するだけで手を掛けたような料理が誰でも簡単に作れるのが魅力です。

●スマートスピーカー

 「スマートスピーカー」は、音楽を聴くだけでなく家事の時短にも活躍します。特に便利なのが、声で買い物リストが作れる機能です。食材や日用品が切れたときに、「醤油を入れて」「ティッシュを入れて」と話しかければ、自動でスマーフォンの買い物リストに追加されます。また、ディスプレイ付きの機種なら、キッチンに置いて料理の動画を見ながら調理もできます。

気になる家電を気軽に試せる
「家電のレンタル」も

 便利なスマート家電ですが、値段が張るものも多く、購入に悩むケースも多いでしょう。そんなときに活用したいのが「家電のレンタル」です。名前の通り、家電を一定期間借りられるサービスで、レンタル期間終了時には、別の製品と交換したり、そのまま購入することもできます。試しに使ってみたい場合はもちろん、引っ越しが多い世帯や単身赴任などにもおすすめです。

「家事代行サービス」の上手な活用ポイント

 「家事代行サービス」とは、家事をプロに委託できるサービスのこと。掃除・片づけ、料理の作り置き、買い物、洗濯、ペットの散歩など、日常的に発生する様々な家事を依頼できます。忙しい時は、掃除が行き届かなかったり、食事のバランスも崩れがちですが、家事代行サービスを利用することで、きれいな家で健康的な食事を取ることができます。
 しかし、費用が高いイメージもあるため、家事代行サービスを活用する際には、上手な依頼で無駄なく費用を抑え、また、できるだけトラブルにならないように、以下のポイントを抑えておきましょう。

●依頼前に要望をまとめて効率的に進める

 利用時間内で効率的に作業をしてもらうために、やって欲しいことは紙に書き出しておきましょう。箇条書きで記入し、優先順位も記載しておくのがおすすめです。例えば、掃除したい場所が広範囲に渡る場合は、「リビングとキッチンを優先的に」のように指示します。水垢など汚れが気になっている場所があれば、併せて書いておきましょう。

●スポット的に活用して費用を抑える

 全ての家事を代行してもらうと高額になってしまいますが、必要な家事だけを代行してもらう、または短時間の依頼をすることで、コストを抑えることができます。

●入って欲しくない部屋などを伝える

 入って欲しくない部屋や、触れて欲しくない物などがあれば、あらかじめ伝えておきましょう。トラブルを避けて気持ち良く作業してもらえます。

●必要なものを用意しておく

 掃除を代行してもらう場合は、掃除道具をあらかじめ用意しておきましょう。委託先によっては掃除道具を持ち込む場合もあるので、事前に擦り合わせてしておくとスムーズです。料理をお願いする場合も、調理道具は揃えておく必要があります。食材を用意していない場合は、買い物の代行も依頼しましょう。

まとめ
 便利グッズやスマート家電、家事代行サービスなど、いろいろなものを活用することで、家事を効率化でき生活にゆとりが生まれます。精神的・肉体的な負担を軽減できるほか、家族と過ごす時間や自己研鑽の時間を増やすこともできるかもしれません。ただし、いずれもお金が掛かってしまうため、活用する前は家事の負担と発生する費用のバランスを家族間で検討しましょう。
 1回目でご紹介した内容と併せて、様々なものを組合せて「家事の頼り上手」を目指してみてください。

※この記事内容は、執筆時点2024年4月17日のものです。

本間 朝子(ほんま・あさこ)
知的家事プロデューサー
自分自身が仕事と家事の両立に苦しんだ経験から、家事の効率化に役立つメソッド「知的家事」を考案し、メディアや講演を通じて提案している。TV・ラジオ、雑誌出演多数。著書に『写真で分かる!家事の手間を9割減らせる部屋づくり』『60歳からの疲れない家事』(青春出版社)、『ゼロ家事』(サンクチュアリ・パブリッシング)など計12冊がある。

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