家計見直しのポイント③
支出の見直しで獲得したお金は
資金の目的に応じて積立てる
人生100年といわれる今、老後の生活、中でも「お金」について心配されている方が多いようです。この不安を少しでも解消するために「老後のお金を守る」をテーマに、専門家のアドバイスをシリーズでお送りしています。今回は、家計見直しのポイント③についてご紹介します。
老後資金は収益性と
節税効果を重視する
家計の見直しポイント①、②の節約で獲得したお金は、確実に貯める仕組みをつくることが大切です。ポイントは資金の目的に合った積立てをすることです。たとえば、住宅の購入資金や子どもの教育費は、使う時期が決まっていますので、元本確保重視の商品が向いています。もし、住宅の取得時期や進学の時期が10年以上先であれば、資金の一部を収益性重視の商品で運用することも可能です。
一方で、老後資金は長期運用が可能です。年齢にもよりますが、今40歳であれば、60歳までに20年あります。50代になると定年までに運用できる期間は少なくなりますが、60歳あるいは65歳ですべての資金を使うわけではありません。70代以降に使う資金であれば、50代でも20年程度の期間がありますので、資金の一部で収益性を狙う運用も可能です。
いざというときの生活費はある程度を元本確保の商品で積立てして、残りは収益性を狙うこともできます。
実際に利用する商品は、住宅資金や教育資金、いざというときの生活費であれば、財形貯蓄や銀行の積立を基本に考えます。老後資金は財形貯蓄や銀行の積立と並行してiDeCoや、NISAなどを利用して収益性を狙うといいでしょう。iDeCoやNISAは次回記事(「iDeCoとNISAなら、どちらを優先?」)にてくわしく紹介します。
※この記事は、都道府県民共済グループ発行「老後のお金を守る本」の抜粋です。
内容は、執筆時点2024年8月1日のものです。
深田 晶恵(ふかた あきえ)
ファイナンシャルプランナー(CFP®)。会社員を経て、1996年にFPに転身。すぐに実行できるアドバイスをするのがモットー。近著に「まだ間に合う! 50代からの老後のお金のつくり方」(日経BP)などがある。