医療や介護での困りごとは
「地域包括支援センター」に相談

人生100年といわれる今、老後の生活、中でも「お金」について心配されている方が多いようです。この不安を少しでも解消するために「老後のお金を守る」をテーマに、専門家のアドバイスをシリーズでお送りしています。今回は「医療や介護の相談先」について。自分たちの望む暮らしを維持するためにも、ひとりで不安を抱えたままにせず、まずは相談しましょう。また、その際のポイントについてもご紹介します。

監修:

内藤 眞弓

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独りで抱え込まず
相談することが大切

 医療や介護で心配事ができたとき、まず相談すべきは、自治体の窓口や「地域包括支援センター」です。地域包括支援センターは、医療、介護、福祉など高齢者の生活をサポートする「総合相談窓口」として設置されており、地域に住んでいる65歳以上の方またはその支援者が利用できます。特に、介護は「突然始まる」ケースが大半で、ご家族の突然の変化や初めてのことばかりで戸惑うことも多くあります。そんな時こそ、独りで抱え込まず、アドバイスをもらうことが大切です。

専門家の「言われるがまま」
にはしない

 介護の相談に行くと、まず「ケアマネジャー」と呼ばれる専門家を紹介されます。要介護認定を受けて介護サービスを利用する際に、どんな支援を受けたら良いかのアドバイスとそのケアプランを作成してくれる重要な存在です。

 ただ、この時に大事なことは、専門家の「言われるがまま」にしないことです。必要な支援は、介護されるご本人や支援する方の状況などによって全く異なるからです。

 たとえば、「公的介護保険の限度額までめいっぱいサービスを利用するのがいい」と考えるケアマネジャーもいます。しかし、本人はこれまで通り、近所の趣味の会に参加したいと考えているのに、遠くの施設まで出かけてデイケアを受けるようなプランが作成されたりします。このようなミスマッチが起きないようにするには、本人や支援者の希望を十分に伝える必要があるのです。

自分たちの生活を中心に
制度を活用するという発想

■知っておきたい相談先や公的制度

 公的制度を利用する際のポイントは「これまで暮らしてきた生活スタイルをできるだけ維持できるような支援を受けること」です。これは、介護される人だけでなく、ご家族などの支援する方も同様です。
 たとえば、支援者が働いているのであれば、「出張が多い」「残業がある」などの現状をしっかり伝え、自分ではできない食事の用意や身の回りのお世話などをしてもらえるようなプランを作成してもらうことも状況次第ではできます。
 プランに合わせるのではなく、自分たちの生活や希望に合わせて、制度を上手に「活用する」発想が必要です。

■介護離職はできるだけしない

 両親の介護などが必要になったときは、仕事との両立ができるよう工夫することが大切です。介護離職してしまうと、収入が途絶えてしまうのはもちろん、1対1の介護になると心身ともに行き詰まってしまいます。職場に相談して介護休暇を取得し、介護サービスを利用して「頑張らない介護」ができる体制をつくりましょう。

※この記事内容は、執筆時点2021年8月2日のものです。

内藤 眞弓(ないとう まゆみ)
ファイナンシャルプランナー(CFP®)/博士(社会デザイン学)/株式会社生活設計塾クルー取締役。ひとり一人の事情、考え方に即した生活設計、保険の見直し、資産運用などの相談業務を行う。著書に『お金・仕事・家事の不安がなくなる共働き夫婦の最強の教科書』(東洋経済新報社)など。

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