ステイホームで増えた
ネットショッピング
セキュリティ対策は大丈夫?

新型コロナはまだまだ終息まで先が見通せなく、それぞれができる感染対策をとって暮らしていくしかない状況。怖いのはコロナの感染だけでなく、インターネット利用による経済的被害もです。コロナ以前よりネットの利用が増えたいま、セキュリティ対策を強化しておきましょう。

監修:

浅田 里花

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横行する「フィッシング」による
カード情報の盗用

 コロナ禍のもと、テレワークやネットショッピングなどで、ネットの利用時間が大幅に増えたという家庭が多いことでしょう。子どもたちもオンライン学習、動画の視聴などでネットに関わる時間がそれまでより増えたのではないかと思います。

 インターネットの発達により格段にできることが広がったのは喜ばしいものの、油断していると思わぬリスクにさらされてしまうこともあります。たとえば、ネットショッピングではクレジットカードを使って決済するのが常ですが、カード情報を盗まれて不正利用されることが考えられます。

 (社)日本クレジット協会の調べによると、クレジットカード不正利用被害は年々増加しており、2014年の被害総額114.5億円から、2019年は273.8億円と倍以上になっています。その81.4%がクレジットカード番号盗用被害で、6.5%が偽造カード被害。カード情報を盗む手口はどんどん巧妙化しており、被害が広がっています。

 代表的な手口は「フィッシング」と呼ばれるもの。これはあたかも釣りを行うように、実在する企業・金融機関になりすましてeメールやショートメッセージを送りつけ(餌をまく)、正規のウェブサイトそっくりに作成した偽サイトに誘導し(食いつきを待つ)、個人情報を入力させる(釣り上げる)手口です。

 フィッシング目的の迷惑メールは大手企業や金融機関になりすましているものが多く、日本語の不自然さなどから一目で「怪しい!」と気づけるメールもありますが、中には本物そっくりの精巧に作られたものもあるため、注意が必要です。大手通販サイトを装っての注文確認メールや、不在配達を連絡する宅配業者を装ってのショートメッセージなどを受け取ったことはないでしょうか。これらには手続き先として偽サイトのURLが記載されています。

 記載されたURLをクリックして偽サイトに誘導されると、偽のログイン画面に入力させられ、名前・住所などの個人情報、ユーザーID、パスワード、クレジットカード番号などが盗まれます。そして、盗まれたクレジットカード番号が闇サイトで取引され、不正利用されてしまうのです。

被害を防ぐための対策をしておこう

 被害を防ぐためには、利用者も自分でできる対策を講じなければなりません。まずは、パソコン・スマホ・タブレットには必ずウイルス対策ソフトをインストールしておくこと。ウイルス対策ソフトが常に最新状態であれば、すべてではないもののフィッシング目的の迷惑メールをブロックしてくれます。

 そして、不審なサイトで個人情報等の入力を行わないこと。ネットショッピングの際も、信頼のおけるサイトでなければ止めるくらいの慎重さが必要です。楽天市場など大手ECサイトでも必ず正規サイトから入るようにし、検索サイトの検索結果からリンクを辿るのは避けましょう。偽サイトに誘導される可能性があるからです。

 また、カードの利用限度額が高額になっている場合、適切な額に引き下げておくと安全です。コロナが終息して海外旅行に行くときなどに枠が必要になったら、ちょっと面倒ですがまた引き上げればいいのです。

 カード会社によっては、カードの利用ごとに通知メールを送るサービスを実施しているところもあります。覚えのない通知があればすぐ不正利用されたことがわかるので、これはぜひ利用したいサービス。私もメインで使っていたカードがなかなかそのサービスを実施しないので、このサービスのあるカードをメインで利用するようになりました。
 さらに月々の利用明細でも不正利用がないか、必ずチェックするようにしましょう。

不正利用されて放置すると
補償が受けられない

 不正利用されたことにすぐに気がつかないと、補償が受けられなくなってしまう可能性があります。クレジットカード会社では、第3者によって不正に利用されたと会社が認めた場合には被害額を補償してくれますが、被害を届けた日から遡って60日までの利用日の被害が対象です。銀行口座から高額の引き落としがなされて初めて被害に気づいたといった場合、間に合わないこともあり得ます。

 クレジットカードの不正利用を中心に解説しましたが、オンラインバンキングを利用している人はさらにセキュリティ対策には留意が必要です。もし不正送金被害にあった場合、銀行に30日以内に申し出るなどの要件をクリアしていることを前提に、過失がなければ全額補償してもらえます(銀行により年間上限額があるなどの規定があるので取引先の条件を要確認)。
 その際、ウイルスソフトを使っていないなど個人でやるべきセキュリティ対策が不十分だと、軽度の過失ありとして補償の減額対象になるケースもあります。今一度セキュリティ対策を見直しましょう。

※この記事内容は、執筆時点2020年7月10日のものです。