騙されない!
手口が巧妙化する詐欺⑤

「自分は対処できる」「自分は狙われない」、そう思っている人が被害にあうことも。そこで、身近に潜む詐欺のリスクと、その対処方法について専門家にお伺いしました。全6回のシリーズ、5回目は「なりすまし詐欺」をご紹介します。

監修:

西田 公昭

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言葉巧みに動揺を誘う詐欺!
冷静に対処することがカギ

 ニュースなどでよく話題になる「なりすまし詐欺」。2000年代から広がっている詐欺で、その手口は、警察・銀行・役所などを名乗る人物から電話が掛かり、「あなたの口座が不正に利用されている」、「保険料が戻ってくる」といった話をされ、お金を振り込んでしまったり、キャッシュカードや通帳などを渡してしまうというものです。一見すると、騙されるはずがない、という印象を受けますが、なぜ騙されてしまうのでしょうか?Eさんの事例で見てみましょう。

Eさんの事例

ある日、警察を名乗る人物から「キャッシュカードが不正に利用されているから、悪用を防ぐためにカードを預かります」と電話がありました。びっくりして、質問にすべて答えてしまいました。後日、家に訪ねてきた警察官にキャッシュカードを渡してしまったんです。でも、実はその電話も警察官も偽物だったみたいで・・・。その後キャッシュカードが不正利用されて、騙されたことに気付きました。

先生から一言

普段縁のない警察や役所などから連絡があると、つい動揺してしまいます。詐欺は、その動揺を利用するのです。電話口でサイレンの音、警察官の制服を着ての訪問など、手の込んだ「劇団型」の事例もあります。そういった電話が掛かってきた場合は、一度電話を保留にするなど冷静になる時間を必ず設けましょう。家に直接来た場合はドアを開けず、インターホンのみで対応するといいでしょう。

なりすまし詐欺に
騙されてしまうのはなぜ?

 社会的信用度が高い所や、よく利用する先からの電話は、うっかり信用しがちです。人は冷静でリラックスしている時は騙されにくいですが、相手もそれを分かっているため、「キャッシュカードが悪用されている」「今日中に手続きしないと取り返しのつかないことになる」といった表現で、慌てさせて動揺を誘います。「お金」・「キャッシュカード」の単語が出たら、すぐに電話を切ってしまうのも良い手段です。気になる場合は、電話を切った後に、名乗っていた相手先(役所や百貨店など)の電話番号を調べて、こちらからかけ直してみるのも良いでしょう。

上記の表はダウンロードしてお使いいただけます。

西田先生の

ワンポイントアドバイス


●お金にまつわる電話が掛かってきたら、相手の連絡先をメモした後、まずは一度電話を保留するなど冷静になりましょう。
●「お金が戻ってくる」、「キャッシュカード」といった話題が出たら、電話を切ってしまってOK!
●不安になったときに相談できる人がいると良いですね。「こんな電話が掛かってきた」と、お子さんや友人など誰かに話してみましょう。
●カードの不正利用が不安な場合は、利用している銀行や警察署に電話してみましょう。お住まいの自治体でホットラインがある場合は、そこに相談してみるのもおすすめです。

最終回は、「ニセ電話詐欺」の事例と対処方法を教えてもらいます。

不審な電話がきたら・・・

■警察署の相談窓口

#9110へお電話ください

騙された!と感じたときは・・・

■警察へ

すぐに110へ電話してください

■各金融機関へ

すぐにキャッシュカード金融機関へ電話してください

※この記事内容は、執筆時点2022年1月12日のものです。

西田 公昭(にしだ きみあき)
1960年徳島県生まれ。 立正大学心理学部教授、博士(社会学)。 94年スタンフォード大学客員研究員、2003年静岡県立大学准教授を経て現職。 心理学研究の第一人者として、新聞やテレビなどのマスメディアでも活躍。日本脱カルト協会代表。詐欺や悪徳商法、カルトなどのマインド・コントロール研究の第一人者として知られる。著書に『マンガでわかる! 高齢者詐欺対策マニュアル』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など。

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