費用は?サービスの内容は?
「在宅介護」のアレコレ

在宅介護ではどのようなサービスが利用でき、費用はどうなるのでしょうか?また、在宅と言っても、施設に通う場合や、リハビリを受けたり宿泊する場合もあったりと、人によって様々です。ぜひ概要を知っておきましょう。

監修:

永島 徹

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自宅で利用する

 専門スタッフが自宅に来て、生活に必要なサービスを提供してくれます。たとえば訪問介護では、ホームヘルパー(訪問介護員)が定期的に訪問して、食事や排せつなどの身体介護をしたり、掃除や洗濯などの生活援助を行います。
 他に、自宅で入浴できる訪問入浴介護、理学療法士や作業療法士による訪問リハビリテーション、看護師による訪問看護、医師や薬剤師による居宅療養管理指導などがあります。

<生活援助は要介護者への提供のみで、同居する家族の食事を作ったり洗濯したりすることはできません。>

<家族でも入浴の介助は大変なもの。訪問入浴介護では専門スタッフ3名で介助してくれるので安心です。>

施設に通う

 通所介護は「デイサービス」と呼ばれます。定期的に介護施設に通い、日帰りで入浴や食事などの介助を受けたり、レクリエーションをしたり。本人が楽しい時間を過ごすと同時に、介護する家族自身が、自分のために自由な時間を作ることもできます。
 この他、リハビリのために医療機関や介護老人保健施設(老健)に通う「デイケア」もあります。

施設に宿泊する

 短期入所生活介護は「ショートステイ」と呼ばれ、介護老人福祉施設(特養)などに宿泊して介護やリハビリを受けます(原則連続日数30日まで)。同居家族が外泊するときや、体調悪化で在宅介護が難しくなったときなどに加え、リフレッシュしたいときにも利用可能です。医療的なケアも伴う短期入所療養介護(医療型ショートステイ)もあります。
 市区町村によっては、訪問・通所・宿泊を各施設で行うのではなく、ひとつの小規模な施設ですべて行えるようにした小規模多機能型居宅介護を提供している場合もあります。

生活環境を整える

 介護生活に必要な車椅子や杖などは、貸出料の1〜3割の自己負担で借りられます(福祉用具貸与)。
 レンタル向きでない排せつや入浴関連の用具は、指定業者から費用の1〜3割で購入でき(特定福祉用具販売)、支給限度額に関係なく年間10万円まで補助されます。
 また、介護生活を送る家で、玄関の段差をなくす、廊下に手すりをつけるなど、小規模な改修をする場合も自己負担が1〜3割に。これも支給限度額に関係なく、原則同一住宅で上限20万円まで補助されます。工事前に市区町村へ申請が必要です。

在宅サービス・介護予防サービスの費用

介護保険からの支給は限度額が決まっている

 在宅サービスや介護予防サービスを利用した際の公的補助には限度があります。支給限度額は介護区分が上がるにつれて上がり、ひと月あたり要支援1で約5万円〜要介護5で約36万円です。
 この範囲内で利用した額のうち、一部が自己負担。支給限度額を超えた利用料は全額自己負担です。

所得によって自己負担は1〜3割

 自己負担の割合は毎年、前年度の所得によって決まります。年金などの収入が280万円未満なら1割、280万〜340万円未満は2割、340万円以上は3割です。自己負担割合は、「介護保険負担割合証」に記載されます。
※金額・割合は単身の場合。

基本的な生活の費用は介護保険の適用外

 通所介護や宿泊で発生した食費や滞在費などは全額自己負担です。これは、食事や施設利用時の費用は健康な人でもかかるるもので、介護費用とは考えないため。意外なところで実費負担があるので、サービス利用開始前に確認しておきましょう。

自己負担が高額になったら補助してくれる制度も

 自己負担が1〜3割で済むとはいえ、要介護度が高い方が支給限度額までサービスを利用すれば、重い負担になります。世帯の自己負担分が高額になった場合には、高額介護サービス費の制度を利用しましょう。支払った費用を市区町村に申請すると、一定額を超えた分が支給されます。ただし、この制度が適用されるのは基本的に支給限度額内で利用したサービス部分のみで、食費や滞在費などは含めることができません。
 さらに、介護保険と医療保険の自己負担合計額を合算して上限額を超えた分が支給される高額医療合算介護サービス費もあります。

費用はケアマネが計算してくれる領収書はきちんと保管しておく

 こうした介護のお金の計算はとても煩雑ですが、ケアマネジャーが算出してくれるので大丈夫。高額介護サービス費などの申請にはサービス利用時の領収書が必要になるので、きちんと保管しておきましょう。

※この記事内容は、執筆時点2019年10月1日のものです。