掃除いらずで新年を迎える!
「分割掃除」術のススメ<最終回>

大掃除というと年末に一気にやるイメージですが、忙しい現代の暮らしにはなかなか難しいもの。だからこそ秋から始める“分割掃除”で無理なく行うのがおすすめです!「計画・下準備」、「キッチン・ダイニング」、「リビング」、「水回り・玄関」の全4回に分けてポイントをお伝えします。最終回となる今回は、トイレ・バスルーム・洗面所と玄関の掃除です。暮らしの快適さを左右する水回りと家に入った瞬間の印象を決める玄関が整うと、家全体の空気まで軽やかに。気持ちよく新年を迎える締めくくりとして、ぜひ参考にしてみてください。

監修:

近藤 典子

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1.年内に整えたい
 「水回り」の分割掃除ポイント

トイレ・バス・洗面所は湿気や汚れがたまりやすく、放っておくとカビやにおいの原因になりがちです。まずは、家の内側からリセットするつもりで、年内にすっきり整えておきましょう。ここでは、代表的な3つの水回りの掃除手順とポイントをご紹介します。

■トイレ① <トイレ全体・タンクまわり>

<用意するもの>

・クリームクレンザー
・スポンジたわし
・耐水サンドペーパー(1000番がおすすめ)
・固形石鹸
・歯ブラシ(使い古しでOK)

<掃除手順>

1.ホコリ取り

トイレ全体のホコリを取ります。タンク後ろや換気口など、見落としがちな部分も忘れずに。

2.手洗いボウル

黒ずんだ部分はクリームクレンザー+スポンジたわしで洗います。輪ジミができている場合は、耐水サンドペーパーに固形石鹸をすり込んで擦るとよく取れます。

3.水栓金具

クリームクレンザー+スポンジたわしで全体を洗い、クリームクレンザー+歯ブラシで磨き洗いをします。

■トイレ②<便器まわり>

<用意するもの>

・エタノールスプレー
・割り箸・ボロ布
・クリームクレンザー
・スポンジたわし
・スチールウール
・トイレ用洗剤
・ブラシ
・ゴム手袋
・小さめのレジ袋
・スプレーボトル
・歯ブラシ
・雑巾(水拭き・乾拭き)

1.大まかな汚れを取る

便器の外側や便座まわりの汚れを、トイレットペーパーでざっと拭き取ります。

2.蝶番まわり(便座の付け根)を掃除する

便座を動かしながらエタノールスプレーを吹きかけ、割り箸にボロ布を巻きつけたもので細かい隙間を丁寧に拭き取ります。

3.便器の内側を掃除する

軽い汚れは、クリームクレンザー+スポンジたわしで洗います。頑固な汚れは、スチールウールで擦り洗い。その後、全体をトイレ用洗剤とブラシで擦り洗いします。

※この際、ゴム手袋の上から小さめのレジ袋をはめて行うと、たわしやスチールウールを使った後、レジ袋をひっくり返してそのまま処分することができます。

4.ネジまわり(便器の付け根)を掃除する

ネジカバーを外し、水スプレーをして湿らせた後、トイレ用洗剤をつけた歯ブラシで擦ります。水拭きをした後、乾拭きします。

5.側面と床を拭き上げる(仕上げ)

便器の側面と床を水拭きして、トイレ全体をすっきり仕上げます。

■バスルーム

<用意するもの>

・バススポンジ
・バスブラシ
・浴室用洗剤
・スクイージー

<掃除の手順>

1.準備

シャンプー類はすべて外に出し、浴室全体にお湯をかけて汚れをゆるめます。

2.洗剤洗い

[天井→壁面→バスタブ→床] の順に、バススポンジ(細かな部分はバスブラシ)と浴室用洗剤を使って洗います。

※汚れや洗剤が下に流れ落ちるので、上から順に洗うと効率的です。

3.水洗い

[天井→壁面→床→バスタブ]の順に、シャワーで水を流します。

※汚れや洗剤が下に流れ落ちるので、上から順に洗うと効率的です。バスタブを最後にすることでキレイに仕上げられます。

4.水切り

スクイージーで全体の水滴を切ります。

■洗面所

<用意するもの>

・ぞうきん
・割り箸
・住宅用洗剤
・クリームクレンザー
・スポンジたわし
・ボロ布
・耐水サンドペーパー(1000番がおすすめ)
・固形石鹸
・ストッキングたわし

<掃除手順>

1.準備

キャビネットの中のものはすべて出し、洗面台のまわりの歯ブラシやケア用品もどかしてまとめておきます。

2.キャビネット内

ぞうきん+割り箸を使って、住宅用洗剤で洗剤拭きをした後、水拭き(頑固な汚れの場合はクリームクレンザーを使用)。仕上げに乾拭きをします。

3.洗面ボウル

黒ずんだ部分はクリームクレンザー+スポンジたわしで洗います。輪ジミができている場合は、耐水サンドペーパーに固形石鹸をすり込んで擦るとよく取れます。

4.鏡

お湯拭きをし、頑固な汚れはストッキングたわしで擦ります。最後に乾拭きで仕上げます。

水回りは、樹脂や陶器、ガラスなどのデリケートな素材が多く、強く擦ると表面を傷つけてしまうことがあります。拭き掃除をするときには、スポンジやストッキングたわしなどのやわらかい用具を使い、“そっと”落とすのがポイント。また、使用後に水滴を拭いたり、 小さな汚れに気づいたらその場で取る“ついで掃除”を毎日の習慣にすると、無理なくきれいな状態を維持できます。

お家にあるもので簡単にできる!
掃除グッズ「靴下+フロアモップ」

<用意するもの>

・靴下(使い古しでOK)
・ストッキング(使い古しでOK)
・フロアモップ

<作り方>

1.靴下の甲の部分に切り込みを入れる。
2.ストッキングを片足ずつにカット。
3.フロアモップに靴下→ストッキングの順でかぶせ、結ぶ。

表面のストッキングが帯電することで、ホコリや汚れが吸着しやすくなる便利グッズです。玄関・水回りの天井や壁など、手が届きにくい場所の仕上げ掃除はもちろん、キッチンやダイニングの天井や壁照明の油汚れ掃除にも便利。頑固な汚れもこすらずに絡め取れるため、家中の掃除の強い味方に。使い終わったらそのまま処分できる手軽さも嬉しいポイントです。

2.新年を迎える仕上げ
 「玄関」の分割掃除ポイント

水回りを整えたら、いよいよ家の「顔」である玄関です。玄関は外から持ち込まれた砂やホコリがとても溜まりやすい場所。しっかりリセットすることで、家に入った瞬間の空気がすっと整い、家がより一層心地よく快適になります。秋から少しずつ進めてきた分割掃除の最終ステップとして、新年を気持ちよく迎えるために仕上げていきましょう。

■インターフォン・表札

<用意するもの>

・歯ブラシ(使い古しでOK)
・ストッキングたわし
・スプレーボトル
・ボロ布

<掃除手順>

1.ホコリ取り

乾いた歯ブラシを使い、インターフォンと表札のホコリを掻き出します。

2.汚れを落とす

ストッキングたわしで、インターフォンや表札の表面についた汚れや指紋を拭き取ります。

3.水拭き

ボロ布+水スプレーで水拭きをします。

■ドア・ドアクローザー(ドアの上についた開閉金具)

<用意するもの>

・洗車ブラシ
・スプレーボトル
・ボロ布

※ドアの上についた開閉金具がドアクローザーです

<掃除手順>

1.ホコリ取り

洗車ブラシで全体のホコリを掻き出します。ドアに凹凸がある場合は、歯ブラシやハケを使って細かな部分のホコリを掻き出します。

2.水拭き

ボロ布+水スプレーで水拭きをします。

■玄関床

<用意するもの>

・ストッキングたわし
・掃除機
・ストローノズル(またはトイレットペーパー芯)
・歯ブラシ
・スプレーボトル
・歯ブラシ
・ボロ布

<掃除手順>

1.汚れを掻き出す

ストッキングたわしを使って、全体的に汚れを掻き出します。

2.掃除機をかける

床全体にまんべんなく掃除機をかけます。タイルの隙間や壁との間はストローノズルを使うと便利です。
※掃除機のノズルを玄関の床に直接つけるのが気になる人は、斜めにカットしたトイレットペーパー芯をノズルに取り付けると、使い捨てができます。

3.拭き掃除

水スプレー+歯ブラシを使って汚れを浮かせ、水拭きで拭き上げます。

近藤先生からの
ワンポイントレッスン


玄関を最後に掃除する意味
~汚れを送り出し、運気も整える~

家の内と外をつなぐ“玄関”を最後に掃除すると、「家中の汚れを外へ送り出した」という感覚が生まれ、掃除の締めくくりとしての達成感にもつながります。
玄関で終えることで、家の中に清らかな空気を呼び込みましょう。

まとめ
玄関と水回りが整うと、家全体の空気まで軽くなり、景色も明るく感じられます。
4回にわたる“分割掃除”の連載も、今回が最終回。汚れを防ぐちょっとした工夫、スムーズに掃除が運ぶコツ、家にあるもので作れるお掃除グッズなど……お掃除を無理なく、楽しんで取り組める手順やポイントをお伝えしてきました。これらは年末だけでなく、日々の掃除やお家のケアにも活かせるはずです。
計画するところから始まり、キッチン・リビングを整え、水回りをリセットし、玄関で仕上げる——ステップを踏むことで、家が確実に心地よく変わっていきます。どうぞ、すっきり整ったお家で、新しい一年をお迎えください。

※この記事内容は、執筆時点2025年12月10日のものです。

近藤 典子(こんどう のりこ)
一般社団法人ホーム&ライフ協会近藤典子代表理事。住まい方アドバイザー/インテリアコーディネーターとして収納や家事動線、掃除の工夫など暮らしを快適にする提案を行っている。テレビや雑誌など多くのメディアに露出。著書は50冊近くあり、累計販売部数は400万部以上。これまでに住まいに関わり、生活の質を高める空間づくりを実践。住まいに関する知恵やノウハウを伝える活動を展開。現在、社会問題となっている空き家対策として、親の家を片付ける活動に力を注いでいる。

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