腰痛の原因は足指かも!?
簡単!足指エクササイズで解消

慢性的な腰痛や肩こり、なんとなく抜けない疲れ……。そんな不調を感じていませんか?実はその原因、体の土台である「足の指」にあるのかもしれません。足指の力を鍛えることで、体のバランスが整い、全身の不調が改善することも。今回は、足指と健康の深い関係、そして、今日からできる「足指力エクササイズ」をご紹介します。

監修:

山田 真

〉〉〉プロフィール

慢性的な不調は「足指力」の低下から?

足は唯一、地面と接している“体の土台”です。本来、人は足指で体重を支え、足指で蹴り出して歩くようにできています。しかし、この足指の力=「足指力」が弱まると、全身のバランスが崩れ、様々な箇所に負担がかかり、やがて不調へと繋がってしまうことも。慢性的な不調は、足指が原因の可能性があります。足指力を鍛えることで腰痛も改善していきましょう。

【起こりうる不調】

・腰、肩、首の凝りや痛み
・冷え
・生理痛や便秘など内臓の不調
・慢性疲労、睡眠障害
・自律神経の乱れ

あなたの足指は動いてますか?
簡単セルフチェック

足に以下の特徴がある場合、足が地面に正しく接しなくなり、「足指力」が低下している可能性があります。

今日から実践!足指エクササイズ

足指の動きを取り戻すには、段階的なトレーニングが効果的です。入浴中やテレビを見ながらなど、“ながら”で続けられるのがポイント。無理のない範囲で、できるところから始めてみましょう。まずはステップ1・2からスタートして、慣れてきたら全てのステップを毎日1セット行うのが理想です。

■ステップ1/足指はがし 1セット5分

足指の本来の動きを取り戻せるように、凝り固まった部分をほぐします。

①手の親指と人差し指を使い、
足の表と裏から足指の間をつまみ、
足の甲の中央までほぐす。

それぞれの足指間を行う。

②足の親指と人差し指の間と、
小指と薬指の間を両手でつまみ、
足裏にアーチを作るイメージで
内側に巻き込むように広げる。

③足指の付け根の裏側を、
手の人差し指と中指の腹で押さえ、
足指をおじぎさせるように動かす。

同時に反対の手の親指の腹で、
足裏をかかとから足指に向かって
なぞってほぐす。
他の指も同様に行う。

■ステップ2/両足つま先立ち体操 1セット30回

足指はがしの後に行いましょう。2週間程度行うと、足指の強化を実感できるようになります。ふらつく場合は壁に両手をついても問題ありませんが、かかとが離れないようにしましょう。

①両足のかかとを合わせて立つ。
つま先は広げて逆八の字に。

②お尻の筋肉を内側にキュッと締め、
肩甲骨を内側に寄せる。

③かかとを離さずつま先立ちで
1~2秒静止し、ゆっくり下ろす。

足指をしっかり広げ、
親指に体重が乗るようにするのがポイント。

■ステップ3/片足つま先立ち体操 1セット片足15回ずつ

両足で行うと力の強い足が弱い足を補っている可能性があるため、片足つま先立ちを追加しましょう。2週間程度行うと、左右のバランスが整ってきます。

①壁に手をつき、片足のつま先で立つ。

②つま先立ちで1~2秒静止し、かかとを下ろす。
反対の足も同様に15回ずつ行う。

■ステップ4/つま先立ちウォーク 1セット数分(無理のない範囲)

最終ステップとして、鍛えた足指力を使って歩いてみましょう。

①両足つま先立ちをする。

②膝を曲げずに歩く。

最終的には1日にステップ1~4すべての足指エクササイズを行うことで、安定した足指力を形成することができます。

毎日の習慣で「足指」を正しく使う

足指を鍛えるだけでなく、日常生活の中でも「使い方」を意識することが大切です。
靴選びや姿勢を見直すことも、足指の働きが大きく変わります。

■履物

ヒールが高すぎる靴、先の細いパンプス、材質が硬すぎる革靴は足指をうまく使えず、サンダルやスリッパなどは脱げないように指を浮かせてしまうため注意が必要です。
履物を選ぶ際は、自分の足にフィットした靴、サンダルはかかとまでしっかり固定されているものがおすすめです。家の中では裸足か5本指ソックスを履くと良いでしょう。

■立ち方・歩き方

立つときは、かかと側に重心がのりすぎないよう、足の親指を意識します。背筋を伸ばし、前を向きましょう。

歩くときは、親指側・小指側・かかとの3点を意識します。かかとからつき、足裏全体を地面につけ、親指までしっかり踏み込み、後ろに蹴るように歩きましょう。

・スマホ歩きに注意:せっかく足指力を鍛えても、スマホを見ながら歩くと頭が下向きになり、腕を振れなくなるため左右のバランスが崩れ、正しい歩行姿勢を取れなくなります。

■座り方

立つ・歩く以外にも、座り方が全身のバランスに影響してしまいます。
座る際も両足をしっかり地面につけるのがポイントです。足を組むと骨盤が崩れ、立つ・歩く際に左右のバランスが悪くなってしまいます。また、長時間座り続けると股関節が圧迫され、血流やリンパの流れが悪くなるため、1時間に1回程度は立ち上がって体を動かすことが大事です。

まとめ


体の土台である「足指」の力は、私たちの全身を支える大切な要素です。足指を意識的に使うことで、腰痛や肩こりの軽減だけでなく、姿勢や血流の改善にもつながります。ご紹介した「足指エクササイズ」や、靴選び・歩き方といった「生活習慣の見直し」は、今日からすぐに始められることばかりです。人生100年時代、いつまでも自分の足でいきいきと過ごすために、まずは足元から健康づくりを始めましょう。

※この記事内容は、執筆時点2025年10月29日のものです。

山田 真(やまだ まこと)
柔道整復師、はり師、きゅう師。まほろば鍼灸整骨院(大阪府吹田市)院長。美骨痩身サロンBELUNA代表。足元から全身につなげていく施術を行ない、足指を正しく使えるようにしたところ体の不調が劇的に改善し、遠方からも評判を聞きつけて多数の患者が来院。著書に『「足指」の力 体の不調がスッと消える 3分つま先立ち体操』『くり返す体の不調が自力ですっきり解消!超簡単「足指はがし」』(コスモ21)がある。

TOPページに戻る