花粉症の人はリスクが高め!
大人の食物アレルギー
食物アレルギーというと「子どもの病気」というイメージが強いかもしれませんが、大人になってから発症する人も珍しくありません。誰でも発症する可能性があるので、予備知識を持っておきましょう。
皮膚や呼吸器の症状だけでなく
大人では特殊な症状も
大人の食物アレルギーは、子どものころからのアレルギーが続いているケースだけでなく、大人になってから突然発症するケースも。「昨日まで普通に食べていたのに、今日からダメになった」ということも起こり得ます。
食物アレルギーは原因物質である「アレルゲン」を「食べる・吸う・触れる」などで体内に摂取することで発症します。症状として、子どもでも大人でも多いのは「即時型」。アレルゲンが体内に入ってから2時間以内(多くは30分以内)に皮膚症状や呼吸器症状が出ます。さらに、大人では「特殊型」とされる口腔アレルギー症候群(OAS)や食物依存性運動誘発アナフィラキシー(FDEIA)を起こす人が増えます。
また、乳幼児では「鶏卵・牛乳・小麦」が三大アレルゲンとされていますが、年齢が上がるにつれて、魚卵、ナッツ、果物、甲殻類などで発症する人が増えていきます。
花粉症の人はリスクが高め
食べ物に注意しよう
食物アレルギーは誰でも発症する可能性がありますが、花粉症の人はリスクが高め。花粉症のアレルゲンと構造が似た物質を含む食物があり、それに免疫が反応してしまうのです。
例えば、シラカンバやハンノキが原因の花粉症の場合、リンゴやサクランボといったバラ科の果物などで発症する確率が高くなります。花粉症の人は、気を付けたい主な食べ物(左表)を知っておき、食べたときに口やのどの腫れ、かゆみ、痛みなどの違和感を感じたら、すぐに食べるのをやめてください。
花粉症の有無にかかわらず、食物アレルギーを疑う症状が出たら、アレルギー科を受診して、血液検査で自分のアレルゲンを調べてもらいましょう。アナフィラキシーを起こすと命に関わることもあるので、適切に対応していくことが大切です。
※この記事内容は、執筆時点2024年6月30日のものです。
福冨 友馬(ふくとみ・ゆうま)
みらいクリニック院長。東洋医学会漢方専門医。NPO 法人日本病巣疾患研究会副理事長。2006年、福岡市博多駅前に、みらいクリニックを開業。「薬を使わずに体を治す」「体の使い方を変えて薬を減らす」といった独自の観点から治標を行っている。著書に『口の体操「あいうべ」』(マキノ出版)、『正しく「鼻呼吸」すれば病気にならない』(KAWADE 夢文庫)などがある。