家庭に潜む危険
子どもの誤飲危険物リスト

家庭内でよく起こる誤嚥(ごえん)・誤飲事故。お子さんがいる方、お孫さんが帰省や一時預かりで遊びに来る方は、万全な対策ができているかリストでチェックしましょう。

監修:

坂本 昌彦

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子どもが誤嚥※・誤飲する
意外なものとは

 安全だと思っていた家庭内でよく起こるのが、誤嚥・誤飲事故。0歳の救急搬送データによると、「ものがつまる等」は2番目に多くなっています。
 食事中の誤嚥として怖いのが、表面がツルツルした丸いもの。ぶどう、枝豆、ミニトマトなどはついそのまま与えてしまいがちですが、4等分などに小さくきざんであげた方がよいでしょう。
 また、ピーナツなどのナッツ類は窒息のリスクだけでなく、その油脂が気管支に入ると炎症を起こして肺炎になる可能性があるため、消費者庁では5歳になるまで与えないよう注意喚起しています。
 誤飲事故で最近増えているのが、加熱式タバコのスティックです。これまでもタバコの誤飲はありましたが、苦いためすぐに吐き出すことが多く、大事に至らないことが多かったのです。ところが加熱式タバコのスティックは小さく、ニコチンが濃縮されているので極めて危険です。

※誤嚥:口に入れたものが気道に入ってしまうこと、誤飲:異物を誤って飲み込んでしまうこと

誤飲を防ぐために
気を付けたいこと

 誤飲の危険のあるものは、子どもの手の届かない1メートル以上の高さのところか、カギのかかる引き出しなどに保管しましょう。また、口に入らない大きなものは見落としがちですが、リモコンの蓋を開けてボタン電池を飲み込んでしまうケースなどもあります。蓋をテープで留めるなど、子どもが開けてしまわない工夫が必要です。薬やサプリも、家族が飲んでいる様子を見ると真似したがるので、子どもが見ているところでは飲まないようにしましょう。
 万一飲み込んでしまった場合は、医師に「何を飲んだか」を正確に伝えることが重要です。電池が入っていたケースや誤飲したものと同じ薬など、情報になりそうなものはなんでも持参してください。また、誤飲の4割は現場を目撃されていません。その場にあるはずのものがなくなっているときは、確証が持てなくても病院へ。もし飲んでいなくても病院に迷惑をかけることはないので、慎重になるに越したことはありません。

■危険性の高い誤飲物の一例

※この記事内容は、執筆時点2023年2月7日のものです。

坂本 昌彦(さかもと まさひこ)
小児科専門医。現在佐久医療センター小児科医長。専門は小児救急と渡航医学。現在日常診療の傍ら保護者の啓発と救急外来負担軽減を目的とした「教えて!ドクター」プロジェクト責任者を務める。

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