躊躇(ちゅうちょ)せずに、まずは相談
困ったときの相談先ガイド

生活費のやりくりができない、家賃が払えないなどピンチに直面したとき、相談すれば助けてくれる公的機関や制度はあるのですが、意外と知られていません。では、誰に(どこに)、どのように相談すれば良いのか、専門家に解説してもらいます。

監修:

浅田 里花

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身近な人にも話しにくい
経済的な問題をどうする?

 自然災害など不測の事態に遭った影響で、収入が減るなどして経済的に厳しい暮らしを余儀なくされることがあり得ます。そんなときは、公共の窓口などに相談をしましょう。
 一時的な生活費を借りられる制度もありますし、公共料金や国民年金の減免制度を利用することもできます。ただ、知らなければ申請できないので、どんな制度があるのかを知り、下記のような相談先にアクセスしてみるといった行動が第一歩になります。
 経済的に困っていることを人に話すのは抵抗があるかもしれませんが、困ったときに助けを求めることは、生活者の権利です。無理をせずに、遠慮なく相談することが大切です。

困りごとを正確に伝えるために
相談する前にこれだけは用意

 初めに電話で問い合わせることが多いかと思います。自分がどんなことで、どのくらい困っているのかを相手に伝えるために、収支が分かるような資料を手元に用意してから電話をするといいでしょう。まず一つは、給与明細などの収入が分かるもの。もう一つは家計簿とまではいかなくても、だいたいの支出が分かるようなメモ書きを。加えて、貯蓄の残高を記したメモか通帳もあれば万全です。
 電話口で焦ったり、感情的になると、肝心なことを伝えそびれてしまいます。そうならないためにも、相談したいことの要点を、優先順位をつけて箇条書きにしておくといいと思います。また、窓口に出向いて相談するときには、持っていくものがあるかどうか事前に電話で確認しておくと二度手間にならずに済みます。

法律に関わるトラブル

法テラス

https://www.houterasu.or.jp

法律が関わるトラブル全般の窓口。無料の法律相談を実施しているほか、ホームページからメールでの問い合わせも受け付けている。

0570-078374
平日9:00-21:00、土曜9:00-17:00


経済的に困窮したとき

厚生労働省
「生活福祉資金貸付制度」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/seikatsu-fukushi-shikin1/index.html

低所得者世帯などを対象に、生活費、住居費、生活再建資金、教育費などを無利子、あるいは低利で融資。大きな自然災害や新型コロナのような緊急の事態が発生した場合は、特例貸付の実施もある。申請先は各市区町村の社会福祉協議会。


生活全般の困りごと

内閣官房「支援情報ナビ」

https://corona.go.jp/info-navi/

都道府県ごとに「困りごと」の内容から、それに対応する支援策を探せるポータルサイト。経済的な問題にかぎらず、暴力を受けたときの相談先も調べられる。新型コロナに伴う心の不安もチェックできる。


学費が払えなくなる前に

日本学生支援機構

https://www.jasso.go.jp/

親が失職したり、災害に遭うなどして家計が急変したときには、随時申し込むことができる「家計急変採用(給付奨学金)」と、「緊急・応急採用(貸与奨学金)」の制度がある。


消費に関するトラブル

国民生活センター

http://www.kokusen.go.jp/map/

消費トラブルだけでなく、カードの不正利用など、金融トラブルの相談もできる。全国の相談窓口のほか、休日も対応している消費者ホットライン(電話188)も。


住宅ローンが返済できなくなったら

借入先の金融機関

滞納する前に、借り入れている銀行など金融機関の窓口に相談を。一時的に返済が猶予されるケースも。

※この記事内容は、執筆時点2023年8月2日のものです。

浅田 里花(あさだ りか)
ファイナンシャルプランナー、株式会社生活設計塾クルー取締役。コンサルティングや新聞・雑誌などへの原稿執筆、セミナー講師を行う。東洋大学社会学部の非常勤講師としても活躍。代表的な著書に『Q&Aで学ぶライフプラン別営業術』(近代セールス社)など。

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