退職金の受け取り方
一時金と年金の違いって?

人生100年といわれる今、老後の生活、中でも「お金」について心配されている方が多いようです。この不安を少しでも解消するために「老後のお金を守る」をテーマに、専門家のアドバイスをシリーズでお送りしています。今回は、退職金の受け取り方についてのコラムです。

監修:

深田 晶恵

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<コラム〜公的年金制度を知る〜>

退職金の受け取り方で、どう変わる?


 会社員の退職金の受け取り方には、主に「一時金のみ」「年金のみ」「一時金と年金の組み合わせ」の3つのパターンがあります。どれを選択できるかは会社によりますが、一時金と年金の比率を自由に決められるとしたら、どの選択が良いのでしょうか。

 年金で受け取る場合、退職金の原資を会社または企業年金が引き続き運用してくれるため、運用益の分、一時金より受取総額が多くなります。年金の運用利率は企業によって異なりますが、最近は1%~2%です。
 一時金で受け取って自分で銀行に預けても金利はほとんどゼロに近いので、「年金受け取りにして運用してもらった方が有利だ」と感じるでしょう。しかし、手取り額で比較すると、一時金が有利なケースが圧倒的に多くなります。退職金を一時金で受け取ると、「退職所得控除」と呼ばれる非課税枠が適用されて、税金の計算が有利になる一方、年金で受け取ると、税金や社会保険料の負担が重くなるからです。図表は退職金を「一時金」と「年金」で受け取った場合の額面金額と手取り額の違いを試算したものです。額面では「年金」が多くなりますが、手取りで見ると逆転します。一時金か年金かを選ぶ際には手取り額で比較することが重要です。

試算条件

  • 60歳時点で退職金の受取方法を「一時金」と「年金」から選択
  • 年金を選択した場合の運用利率は2%、10年分割で受け取り
  • 60代前半は年収350万円で働き、65歳からの公的年金収入は220万円
  • 扶養家族は妻、東京23区在住、勤続年数38年、60歳前半の健康保険は協会けんぽ
  • 10年間の給与も含めた総収入と手取り額を試算

試算:深田晶恵氏

※この記事内容は、執筆時点2022年8月1日のものです。

深田 晶恵(ふかた あきえ)
ファイナンシャルプランナー(CFP®)。会社員を経て、1996年にFPに転身。すぐに実行できるアドバイスをするのがモットー。近著に「まだ間に合う! 50代からの老後のお金のつくり方」(日経BP)などがある。

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