出し入れの手間を減らす!
キッチン周り
家の中が散らかっていると、家事の取り掛かりに余計な手間が生じます。片付けやすい収納の仕組みは、毎日の家事をラクにしてくれます。この記事では、全5回を通じて家事をラクにする「ラクカジ」収納のコツをご紹介。第1回目の今回は、キッチン周りの収納についてです。
キッチン周りは、モノが多くて
必要な時に見つけにくい
キッチン周りには、多種多様な物が置かれています。例えば、フライパンやお鍋などの調理器具、醤油や塩などの調味料、大皿や小鉢など大小様々な食器類、洗剤やスポンジといった消耗品など。限られた空間にたくさんの物が集中する場所だからこそ、目当ての物が見つからなかったり、取り出しにくさを感じたり、そんな煩わしさを感じることはないでしょうか。これらを解消する収納の仕組みが整えば、家事はもっとスムーズになるはずです。
キッチン周りの問題点
■モノが多く管理が大変
■限られたスペースに大小様々な物を収納しなければならない
■使うときに見つけにくい、探しにくい
使うものを取り出しやすくして
余計な手間を省く収納
キッチンで使う物は、出し入れも多いのが特徴。よく使う物ほど、取り出しやすくすることが一番のポイントです。以下では、具体的な収納のアイデアをご紹介します。
■使用頻度で一軍・二軍・三軍に分ける
食器類は普段使うものだけでなく、来客用や季節のものなど、必要以上に増えやすい物の一つです。
そのため、まずは使用頻度で仕分けします。茶碗やコップなど日々出番のあるものを一軍、グラタン皿など月1回程度のものや来客用のものを二軍、残った物(年に数回ほどの物や今はほぼ使っていない物)を三軍として、3段階くらいに分けると良いでしょう。そして、それぞれ置く場所を変えて収納します。使用頻度の高い物ほど取り出しやすい位置に集中して収納しましょう。取り出しやすい場所に使うものがゆったり収納されていると、毎日の出し入れがスムーズになります。
■使う場所の近くに置く
特に使用頻度の高い道具は、手に取るまでの「歩く」「しゃがむ」「引出しを開ける」などのアクション数がなるべく少なくなる収納場所を考えてみましょう。例えば、お米を研ぐときに使うザルとボール、米びつはシンク下の収納にあれば移動が0歩。さらにその背後に炊飯器があれば、ほぼ歩かず最小限のアクションで炊飯ができます。一つの家事の流れをイメージすると、収納場所の最適解が見えてきます。
■取り出しやすく、使いやすくする
取るまでのアクション数をカットする収納の一工夫をご紹介します。例えば、フライパンは書類ケースなどを活用して自立させれば、片手で柄をつかめます。また、吊るして空中に収納するのも取り出しをラクにする方法の一つ。作業中にサッと取りたいキッチンペーパーや、乾燥させたい水切りカゴなどは空中収納が好相性です。
■引き出しは、しまうものと高さを合わせる
キッチン周りの引き出しは中段より下段の方が深いなど、場所によって深さが異なっていることが少なくありません。それぞれの深さに合った物を収納しましょう。例えば、深い引き出しには、タッパーを重ねて収納したり、食品用ラップフィルムやアルミホイルを立てて収納したり、浅い引き出しには高さが必要ないお皿やコップなどを収納すると、無駄な空間がなくスペースを有効に活用することができます。
■一目で分かるようにする
キッチン周りでは、どこにしまったかを忘れてしまい、いろいろな引き出しを開け閉めして確認することも少なくありません。それを防ぐために、引き出しにしまった物の名前を書いたシールを貼ってラベリングしてみましょう。また、スプーン、フォーク、箸といったカトラリーなどは立てて収納すると必要なものを一目で見つけやすくなります。
■扉裏は収納のお宝ゾーン
キッチン周りの収納場所で見落としやすいのが、扉裏。開けると自分の方に来てくれて、かがむ手間なく道具を取れる絶好のポジションとなります。フックを付ければ吊るすことができ、カゴを付ければ小さな物なども収納できます。
まとめ
たくさんの物が集中するキッチン周りでは、毎日頻繁に物の出し入れが行われます。物は使用頻度、スペースはアクセスの良し悪しをしっかり見極めて、ストレスなく物を出し入れできる仕組みをつくっていきましょう。まずは毎日使う物がもっと取りやすく、セットで使う物は動かず出せるようにならないか、ご自身や家族の動きをよく観察してみると良いと思います。最適な収納場所を更新していくことが、ラクカジにつながるはずです。
※この記事内容は、執筆時点2024年3月13日のものです。
本多 さおり(ほんだ さおり)
整理収納コンサルタント。1984年生まれ。フルリノベーションした中古マンションで夫、長男(8)、次男(6)の4人暮らし。「生活重視ラク優先」をモットーに、収納で大事にしているのは、ラクに片付いて家事がしやすい仕組みづくり。近著は『無印良品と365日』(大和書房)。