騙されない!
手口が巧妙化する詐欺③

「自分は対処できる」「自分は狙われない」、そう思っている人が被害にあうことも少なくありません。それほど詐欺の手口は次々と巧妙化しています。そこで、身近に潜む詐欺のリスクと、その対処方法について専門家にお伺いしました。全6回のシリーズ、3回目は「送りつけ詐欺」の事例と対処方法についてご紹介します。

監修:

西田 公昭

〉〉〉プロフィール

いつもの荷物、家族の荷物と勘違い!
突然送りつけられる詐欺を予防しよう

 気軽に注文できるネット通販。便利なのでつい利用回数が増え、毎週のように荷物が届くという方も多いのではないでしょうか。しかし、利用者・業者が増えるほどトラブルも増えています。その1つが、「送りつけ詐欺」です。これは購入した覚えのないものが、一方的に届き、金銭を請求される詐欺の手法です。
 いつもの荷物、家族が注文したかもしれない荷物だと思い込んで受け取ってしまい、被害にあってしまうのです。

Cさんの事例

普段利用している宅配業者から、着払いで荷物が届きました。家族も通販をよく使うので、立て替えのつもりで支払い、後で家族に伝えると「注文していない」との返答が。荷物を開けてみると、マスクが何箱も入っていました。送り主に電話をしても繋がらず、返品も返金もできません。数千円だし…と諦めましたが、悔しい思いです。

先生から一言

まずは「送りつけ詐欺」という詐欺があることを覚えておきましょう。これは注文や契約をしていないにもかかわらず、品物が届き金銭を要求される詐欺の手口です。届いた時やうっかり受け取ってしまった時の対処方法を知っておくことで被害を防げます。

送りつけ詐欺に
騙されてしまうのはなぜ?

 騙される理由として、家族の誰かが注文したかもしれない、誰かがギフトで贈ってきたのかもしれない、と受け取ってしまうためです。そして「受け取ってしまったものは、お金を払わないと」という心理が働き、つい支払いに応じてしまうことが最大の理由と言えるでしょう。
 とくに、傷みやすい生鮮品や、家にあっても困らないマスクなどの衛生用品などは数千円のため支払ってしまう方が多いようです。もしもお金を支払ってしまった場合には、すぐに警察や消費者ホットラインに連絡を取りましょう。

上記の表はダウンロードしてお使いいただけます。

西田先生の

ワンポイントアドバイス


注文していない、契約していない商品については支払う必要はありません。受け取りを拒否するか、請求に応じないようにしましょう。
●家族と同居されている方は届く荷物について情報を共有しましょう。
●家族内で共有した荷物以外が届いた際は、いったん受け取りを保留し、本人が再配達の依頼をしましょう。
●いつも利用する通販サイトから心当たりがない荷物が届いた場合、個人情報が漏洩している可能性があります。サポートセンターに問い合わせし、パスワードなどを変更しましょう。
●万が一支払ってしまっても、金銭の返還を求めることが可能です。すぐに消費者ホットライン「188」に相談しましょう。

次回は、「ネットショッピング詐欺」の事例と対処方法を教えてもらいます。

騙された!と感じたときは・・・

■消費者ホットライン

188(いやや)へお電話ください

■警察署の相談窓口

#9110へお電話ください

■総務省電気通信消費者相談センター

WEBサイトにある地域の相談窓口へお電話ください

※この記事内容は、執筆時点2022年1月12日のものです。

西田 公昭(にしだ きみあき)
1960年徳島県生まれ。 立正大学心理学部教授、博士(社会学)。 94年スタンフォード大学客員研究員、2003年静岡県立大学准教授を経て現職。 心理学研究の第一人者として、新聞やテレビなどのマスメディアでも活躍。日本脱カルト協会代表。詐欺や悪徳商法、カルトなどのマインド・コントロール研究の第一人者として知られる。著書に『マンガでわかる! 高齢者詐欺対策マニュアル』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など。

TOPページに戻る