台風や地震などの損害は
火災共済や火災保険でカバー可能?

台風や地震などの自然災害で住宅や家財に損害を受けた際、火災共済や火災保険でカバーできる場合があります。補償の範囲や補償額は個々により異なりますので、ご加入の共済や保険の内容をチェックしておきましょう。

監修:

清水 香

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■台風などによる風水害の場合

 自然災害による住宅や家財の損害は、「火災共済(生協など)」や「火災保険(損保会社)」でカバーできる可能性があります。「火災」という名称でも、火災だけではなく台風や集中豪雨が原因で被った損害も対象になることがあります。

 一口に台風と言っても、暴風など風による損害と、浸水など水による損害がありますが、火災共済ではこれらをまとめて「風水害」として保障。一方で火災保険は、風が原因の損害を「風災」、水が原因の損害を「水災」として別々に補償します。

 台風などの損害をカバーできるかは、火災共済や火災保険の契約で異なり、対象外とするものもあります。対象になるとしても、どのような場合に、どの程度受け取れるかは、個々の商品や契約で異なるため、事前に確認しておくことも大切です。

■地震による損害(地震・津波・噴火)の場合

 地震による損害もカバーできる可能性があります。ただ地震はいつ・どこで・どの規模で起きるかがわからないため、受け取れる金額はどの商品でもおおむね小さめになります。

 生協などが扱う火災共済の地震保障は、いずれもそれぞれの団体が設ける独自保障で、カバーされる内容や支払い条件はそれぞれ異なります。
 損保会社の火災保険地震を補償対象外としており、「地震保険」をセットすると補償を受けられます。地震保険は通称「地震保険法」に基づく官民一体の制度で、損保会社とともに政府も保険金の支払い責任を負う特殊な保険です。よって、どの損保会社で加入しても、条件が同じであれば、補償内容や保険料は一律です。

 地震をカバーする商品はほかに、地震保険金額が最大で火災保険と同額になる火災保険の特約や、単独で地震補償が得られる少額短期保険などがあります。

※この記事は、都道府県民共済グループ発行「災害時のお金ハンドブック」の抜粋です。
内容は、執筆時点2024年8月1日のものです。

清水 香(しみず かおり)
1968年生まれ。FP&社会福祉士事務所OfficeShimizu代表、株式会社生活設計塾クルー取締役。生活者向け相談業務のほか、執筆、講演など幅広く展開、TV出演も多数。財務省の地震保険関連の政府委員を歴任、自由が丘産能短期大学講師、日本災害復興学会会員。

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