スマホひとつで支払い完了
コード決済の注意点

広告や店頭でよく見聞きするようになったキャッシュレス決済。なかでもスマホを使って支払いができる「コード決済」が普及してきました。ここではそのメリットやデメリット、注意点を紹介します。

監修:

風呂内 亜矢

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流行する
キャッシュレス決済

 紙幣や硬貨を使わずにお金の取引をする「キャッシュレス決済」が広がりを見せています。その背景にはスマホを所持する人が増えてきていること。また国や企業が労働力不足の解消にキャッシュレス決済を推奨することで、決済の管理コストが減り、利用者にもそのぶんが還元されるという合理的な需要があるからです。キャッシュレス決済のなかでもスマホを使い、QRコードやバーコードを見せたり読み取ったりして支払いができる「コード決済」は特に注目されています。

コード決済の
メリット・デメリット

 コード決済のメリットは財布を持たず、スマホで支払いができる手軽さです。コード決済用のアプリをダウンロードし、設定を済ませれば買い物ができます。
 また、不特定多数の人が手で触れる紙幣や硬貨を使わないので、清潔に支払いができるのも利点です。デリバリーサービスを受け取って支払うときや、お店でテイクアウトをする際も、現金を触らずに素早くお金のやりとりができます。そのため新型コロナウイルスなどの感染防止にもつながるとして活用されています。
 コード決済サービスによっては利用者がお得になるキャンペーンを実施することもあります。サービスに登録するだけでポイントがもらえたり、割引価格で買い物ができたりと、上手に使えば家計を助けてくれるでしょう。

 一方で、「目先のお得」を求めて、複数のコード決済アプリに登録してしまうと、使った金額や支払い日の把握が難しくなります。また、お得になる条件も頻繁に変わったり、決済業者の統廃合があったり、コード決済はまだ利用者にとって使いにくい面もあると言えます。
 そしてコード決済はスマホのアプリを使って支払うので、スマホの充電が切れたり、サービスに予期せぬエラーが発生したりするとコード決済の利用そのものができなくなるのがデメリットです。

セキュリティ対策の上で
利用をしよう

 コード決済に限らずキャッシュレス決済にはセキュリティ面でのリスクがあることを頭の片隅に置いておきましょう。利用履歴などの情報がどこかに漏れてしまったり、スマホを落として勝手にお金を使われてしまったりするかもしれません。ただ、現金も持ち歩いていれば同様に盗まれたり、なくしたりする可能性があります。現金とは危険の種類が違ってくると考えましょう。安全性を高めるポイントをまとめましたので、セキュリティ対策の参考にしてみてください。

 コード決済に慣れるまでは、決済サービスをひとつに絞り、利用履歴をこまめに確認しながら使いましょう。コード決済が利用できる場所が増えてきたとはいえ、まだ利用そのものができない場所もあります。
 また、災害など万が一の際に備えて、現金を持ち歩くことも忘れないようにしてください。

※この記事内容は、執筆時点2020年8月1日のものです。

風呂内 亜矢(ふろうち あや)
ファイナンシャルプランナー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者。テレビやラジオ、雑誌、インターネットでお金の情報を精力的に発信。最新のデジタルマネー事情にも詳しい。著書に『ケチケチせずに「お金が貯まる法」見つけました!』ほか多数。

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