コロナで学費負担が厳しい!
給付奨学金制度の選択肢も

新型コロナウイルス感染拡大により、学生も厳しい状況に置かれています。親の収入だけでなく、自身もアルバイト先が休業となり学費や生活費の負担に窮するケースが増えています。学生団体「高等教育無償化プロジェクトFREE」が実施したアンケートによれば、学生の7割はバイト収入がなくなったり減ったりしており、2割が退学を検討しているという非常に厳しい状態があります。
こんなとき、大学等は、家計急変時に利用できる学費の延納制度のほか、各種の給付型奨学金制度などの支援制度を用意しています。学生課に相談して、どんな制度があるか、まずは情報収集をしましょう。

監修:

清水 香

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家計急変時には
随時申し込める「給付奨学金」

 支援のなかでも最大の給付となるのが、日本学生支援機構(JASSO)の提供する給付奨学金です。
 JASSOの提供する奨学金には、返済を要する貸与奨学金と返済不要の給付奨学金があり、後者は2020年度から新しく実施されたもの。通常は春または秋に募集を行いますが、生計維持者の死亡や失職などで家計が急変したときは随時申し込みができます。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、家計収入の大幅な減少が見込まれる場合も対象になります。
 給付額は世帯収入と家族構成、学校種別、通学種別により異なります。たとえば、住民税非課税世帯の学生が下宿して私立大学に通う場合、年額91万円の給付型奨学金のほか、年額約70万円を上限に授業料免除が受けられます(原則として、それぞれ申し込みが必要)。この場合の給付額は年間最大161万円ですから、かなり助かるでしょう。1年生の場合は、さらに約26万円を上限に入学金も給付されます。

成績と家計
両方の基準を満たす必要あり

 利用にあたっては、学業成績および家計の基準の両方を満たす必要があります。

 学業成績は、やはり一定基準の範囲に属していなければなりません。ただし、災害や傷病などでやむを得ず一定基準を満たせない場合は、学修意欲を有すると確認したうえで認められることがあります。

 家計基準は3つ。まずは世帯収入が一定以下であることが必要です。たとえば、子どもと給与所得者のひとり親の2人世帯の場合、前年の世帯収入402万円を目安に収入の基準を満たします。通常は前年の収入で適格かが判定されますが、家計急変の場合、急変後の年間見込み収入で判定をします。
 給付される奨学金の額は収入に応じ3区分です。前述した住民税非課税世帯の給付額が最大となり、収入が高くなると給付額は減少します。

 あわせて、家計急変の事由が一定の状況に該当していることが必要です。生計維持者の死亡や傷病、失職を余儀なくされた場合のほか、自然災害で被災した場合が対象になります。新型コロナの影響による収入減少を事由として申し込む場合、自然災害に被災した場合に類する事態として支援対象になります。被災した場合に必要となる書類は罹災証明書ですが、新型コロナでは、新型コロナを要因として公的支援を受けたことを証する以下のような書類が必要になります。

●新型コロナウイルス感染症に係る影響による収入減少があった者等を支援対象として、国及び地方公共団体が実施する公的支援の受給証明書

●これに類するものと認められる公的証明書

 たとえば、小学校休業等対応支援金(委託を受ける個人向け)の受給証明書や、緊急小口資金、あるいは総合支援資金(生活費)の借用書などが該当します。詳細は以下HPに記載があります。

※日本学生支援機構「新型コロナウイルス感染症に係る影響を受けて家計が急変した方への支援」

 もう1つの基準が、預貯金や有価証券などの資産が一定額までであることです。生計維持者が2人の場合2,000万円、1人の場合は1,250万円未満が対象です。不動産や貯蓄型保険は含みません。

学校や自治体などの制度も確認を

 申し込みは直接在学している学校で学生本人が行います。JASSOの給付奨学金の対象にならない場合でも、他の制度で対象になる可能性があります。複数の制度を当たってみましょう。また、自治体によっては独自支援を行っているところもあるので、居住地の役所が発行する広報なども確認してみましょう。

※この記事内容は、執筆時点2020年6月5日のものです。