何歳からいくらもらえる?
自分の年金をチェックしよう
「あなたは何歳からどれくらいの額の年金をもらえますか?」この質問にずばりと答えられる人は少ないでしょう。収入が減る老後において、年金額と受給開始年齢は、ライフプランを立てるうえでとても大切。ここでは自分の年金額と受給開始年齢を把握しておきましょう。
「ねんきんネット」の試算を活用
●老齢基礎年金
40年(480カ月)加入した場合を満額とし、保険料を納付した月数と免除期間に応じて年金額が異なります。2019年度の満額は78万100円。加入可能月数は480カ月なので、保険料納付済月数が480カ月であれば満額を受け取れます。免除期間や未納期間があり、例えば保険料納付済月数が360カ月であれば、年金額は4分の3になります。また、毎年度の年金額は前年の物価の変動などを加味して変動すること、国民年金の保険料納付猶予期間や学生納付特例期間がある場合、老齢基礎年金の額の計算の対象となる期間には含まれないので注意しましょう。
●老齢厚生年金
老齢厚生年金は、平均標準報酬額と生年月日に応じた給付乗率、厚生年金保険の被保険者月数に応じて支給されます。ただし、2003年3月までの期間分は、賞与を考慮しない「平均標準報酬月額(月給のおおよその平均額)」をもとに計算されます。年1回郵送で届く「ねんきん定期便」や、日本年金機構の「ねんきんネット」を見て、将来受け取ることができる年金見込額を試算してみましょう。
65歳未満でもらえる年金とは?
老齢厚生年金の受給開始年齢は原則65歳からですが、1985年の法律改正により、生年月日と性別に応じて65歳になる前に「特別支給の老齢厚生年金」が支給されます。
支給条件は、老齢基礎年金の受給資格期間を満たしており、厚生年金保険に1年以上加入していることで、特別支給の老齢厚生年金は「報酬比例部分」と「定額部分」に分けられます。
報酬比例部分とは、厚生年金保険加入期間中の平均標準報酬月額と平均標準報酬額、および被保険者期間に基づいて計算される部分。定額部分は厚生年金保険の被保険者期間の長さに基づいて計算されます。下の表を参考に、自分が何歳から受給できるかをチェックしてみましょう。
その他、厚生年金保険の被保険者期間が20年以上ある人で、一定の要件を満たす65歳未満の配偶者や子がいる場合、「加給年金額」が加算されて支給されます(ただし、届出が必要)。なお、加給年金額は配偶者が65歳になると打ち切られますが、配偶者の生年月日が1926年4月2日〜1966年4月1日の間にある場合、「振替加算」として、配偶者自身の老齢基礎年金に加算されます。
[参考]日本年金機構「ねんきんねっと」 ※外部サイトに移動します。
※この記事内容は、執筆時点2019年8月1日のものです。
望月 厚子(もちづき あつこ)
大手生命保険会社と独立系ファイナンシャルプランナー会社を経て、フリーとして独立。現在は社労士として活躍しながら、年金事務所(日本年金機構)の相談員も行っている。