お金を使うと"減る"から"増える"と考えよう!
お金の使い道は「価値」で考える
限りあるお金を有意義に使うためには、「価格」よりも自分にとっての「価値」を重視することが大切です。価値の高いお金の使い方とはどのようなものなのか、その考え方を専門家に教えていただきました。
節約だけではお金は増えない
「消費脳・投資脳」とは?
「お金を使うと減る」は、本当でしょうか。確かに千円の本を買ったら、財布から千円なくなります。それをそのままに捉えて「お金を使うと減る」と考えることを「消費脳」といいます。消費脳の人は、「お金を使うと減ってしまうから、なるべく使わずに節約しよう」という思考になります。お金を使う視点が「現在」のことだけに集中してしまうのが消費脳の特徴です。
一方で、千円の本を買ったら、その本から学んだことを生かして「どうしたら100万円増やせるか?」と考えるのが、「投資脳」の人です。本を買えば確かにお金は減りますが、そのお金を「価格」として捉えるのではなく、減った以上の「価値」に変える、将来への投資であると捉えます。お金を使う視点が「未来」に向いているのが投資脳の特徴です。
節約ももちろん大切ですが、貯金と節約だけでは将来的にも少し不安です。お金を「残す」だけではなく、「増やす」ことも考えていきましょう。
「投資脳」を意識して
不安の少ない暮らしを目指す
投資というと株や投資信託、不動産や金などの「金融資産への投資」を思い浮かべる人が多いと思いますが、それだけではありません。「資格を取る」「本を読む」「歴史を知る」など知識やスキルを取得したり、「旅行をする」「街を散歩する」、「人と出会う」といった楽しい経験も、それが将来の糧になると考えれば立派な「投資」になります。
他にも、健康面や交友関係など、お金に換算できない「見えない資産」への自己投資も大切です。これらに不安があると、お金があったとしても、いつまでも不安感は消えませんし、豊かな暮らしとはいえないでしょう。
自己投資を始める際には、かける期間などの「目標を立て」、「実行」し、その「振り返り」を必ず行って次に「活かす」ことが大切です。ぜひ実践してみてください。
インフレ時代を迎えた現代では、相対的にお金の価値が下がっている状況です。将来のさまざまな不安を取り除くためにも、節約して貯金するといった消費脳から、投資脳へと意識を切り替え、「自分にとって価値のあるお金の使い方」で不安の少ない充実した暮らしを目指しましょう。
※この記事内容は、執筆時点2024年6月30日のものです。
頼藤 太希(よりふじ たいき)
Money&You代表取締役。マネーコンサルタント。中央大学客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生保にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に創業し現職へ。Webメディア「Mocha」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」、講演などを通してお金の情報を発信中。『はじめての新NISA&iDeCo』、『定年後ずっと困らないお金の話』など書籍90冊、累計160万部超。