~おうち効率化計画~
Vol.1 冷暖房効果を高めよう!

「光熱費を少しでも節約したい…」、「家事の負担をもっと減らしたい…」、そんな声に専門家がアドバイスするシリーズ「おうち効率化計画」。第1回目は、蒸し暑くなる夏や寒さの厳しい冬に欠かせないエアコンを効率的に使う方法をご紹介します。

監修:

矢野 きくの

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たったひと手間でグッと変わる
冷暖房の効率化は習慣が大事

 エアコンを使っているのに、なんだか暑い・寒いと感じることはありませんか?これは、「エアコンを効率的に使う環境が整っていない」ことが原因かもしれません。気温差が激しい夏や冬に体調を崩さないためにも、エアコンの効率的な使い方を知って、習慣化していきましょう。

夏のエアコンの効率的な使い方

 夏は、「日光」が原因で室温が上昇するため、何も対策をしないとエアコンが効きにくくなります。そこで、日光による室温上昇を防ぐ方法をご紹介します。

〈日中〉
 日差しが強い南と西の窓の外側に「すだれ・よしず」や「グリーンカーテン」、「オーニング(日よけ)」などを使って、家の中に日光が入らないようにしましょう。これらの日よけがあれば、室温が約1~3℃ほど下がるといわれています。さらに10時~14時頃の日差しの強い時間帯はカーテンやブラインドを閉めておくと、より効果的です。また、エアコンの室外機が熱くなると運転効率が悪くなってしまうので、室外機にも日よけをしておきましょう。

ワンポイント
 景観にも配慮した、全面を覆うタイプの室外機カバーを使用する場合は風通しを意識しましょう。風通しが悪いと、逆効果になってしまう場合があります。

〈帰宅後〉
 外出から帰ってきたとき、室温が外気温より高くなっていることがあります。すぐにエアコンを起動させて涼みたくなりますが、まずは換気することで、室温を下げましょう。北側と南側の窓を開けると風通しが良くなり、効果的です。窓がない場合、チェーンキーをかけて玄関ドアを少し開けておくだけでも違います。併せて換気扇もつけると、より効率が良くなります。少しでも換気をして熱気を外に逃がしてからエアコンを使うことで、効率良く室温を下げることができます。

ワンポイント
 窓の左側を開ける、右側を開けるかでも風通りは変わります。間取りや近隣の家の位置によって違うので、その時々で試してみてください。

〈在宅中〉
 エアコンを起動させたとき、冷気が届きにくい場所や、人のいないエリアばかりを冷やしてしまうことがあります。そんなときは、サーキュレーターや扇風機で空気を循環させて調整しましょう。

ワンポント
 人数が少ない部屋は吹き出し口に取り付ける風向き調整板(ルーバー)の設置がおすすめです。人のいる場所を効率的に冷やしましょう。

暑い時季は、調理の方法と時間を工夫しよう

 キッチンは火を使って調理することもあり、どうしても室温が高くなりがちです。対策方法は「極力火を使わない」こと。例えば電子レンジを使って調理したり、よく使用する食材の下ごしらえはまとめて行い、小分けにしたものを冷凍してストックしておくなど、火を使う時間をなるべく減らしましょう
 くわしくは第2回でご紹介します。

冬のエアコンの効率的な使い方

 冬は夏の反対です。室温を上げてくれる「日光」を取り入れることで、エアコンが効きやすい状況をつくりましょう。今度は室温上昇を手助けする方法をご紹介します。

〈外出前〉
 家の中の空気を暖めるために、日中はカーテンを開いてから出掛けると効果的です。ただし、日が落ちる前にカーテンや雨戸などを閉めて、暖かい空気が逃げないように対策しておきましょう。
 レースカーテンを閉めておいてもOKです。

〈在宅中〉
 エアコンの暖かい空気は、天井付近に溜まってしまいます。もしご自宅にシーリングファンがあれば効果的に暖かい空気を循環させることができます。その場合、風が下にいくように回転方向を調整しましょう。サーキュレーターや扇風機でも調整できます。

〈日常〉 
 隙間テープを使って、暖かい空気が室外に出ていくのを防ぎましょう。貼る場所は部屋と廊下をつなぐドアです。室内の上・下・ハンドル側の3辺に貼ると効率アップします。
 さらに室内の暖かさは、窓から逃げていきます。カーテンは床まで、または窓全体を覆ってしまえるサイズのものを使用しましょう。

ワンポント
 カーペットなど敷物の下に、ダンボールやアルミシートなどを敷くと冷気の侵入を防げます。

体の仕組みを使ってより涼しく・温かく

 より涼しく・より温かく過ごすためにおすすめなのが、太い血管を冷やす(温める)方法。最も効果的なのが「2つの首(首・手首)」と「太ももの付け根」です。この位置には皮膚の近くに太い血管(動脈)が走っており、ここを冷やす(温める)ことで動脈の流れに乗って全身を効果的に冷やせ(温め)ます。冷しタオルや蒸しタオルなどを当てて、さらに効率よく涼しさ(温かさ)を感じましょう。

 次回は、朝の家事を効率化する方法をお伺いします。

※この記事内容は、執筆時点2022年3月10日のものです。

矢野 きくの(やのきくの)
家事の効率化、家庭の省エネなどを専門にテレビ、雑誌、講演などで活動中。時短家事や、100円グッズ・便利グッズ、業務用食品の情報にも精通し、生活用品や便利グッズの企画にも携わる。Honda、イオン、東芝など大手企業や日経新聞web、時事通信などでの連載実績も多数。

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