三大疾病を予防!食生活改善のすすめ
暴飲暴食、塩分過多…。食生活の乱れによる肥満は、三大疾病の主な原因となります。50代に入って“食べても痩せられる食事法”を考案し、26㎏の減量に成功した料理研究家の実体験をもとに、日々の健やかな食生活のコツを紹介します。
健康的な生活で生き生きとした毎日を実現
食べることが大好きで運動嫌いの私は、子どもの頃からぽっちゃり体型。流行りのダイエットに手を出してはリバウンドを繰り返し、今さら見た目を気にしても……と諦めもついた50歳のとき、体重は73㎏になっていました。健康診断の数値が軒並み悪く、体調も最悪の状態に。 “肥満 ”を原因とした様々な病気に罹る可能性が高まっていました。例えば、三大疾病(ガン、脳卒中、心筋梗塞)の内、脳卒中と心筋梗塞は肥満が一因といわれています。そこで、健康な体に生まれ変わろうと一念発起。運動をせずにたくさん食べても痩せられる食べ方を考案し、実践しました。
私が実践した食事法のキーワードは、血糖値、酵素、食物繊維の3つ。ダイエット=カロリー制限というのがこれまでの常識でしたが、太る原因は糖質による血糖値の急激な上昇にあります。もちろん、糖質は私たちの体を動かすうえで必要な栄養素ですが、現代人の食生活ではオーバーしがち。そこで実践したのが次のサイクルです。
①糖質の高い炭水化物を控えて血糖値の上昇を抑える
②生野菜など酵素の多い食品を食べて基礎代謝を上げる
③食物繊維を摂取して腸内環境を整え、出すものはしっかり出す
このサイクルを体が覚えると、痩せやすく太りにくい体質に変化します。私は呑んべえですが、ビールは糖質が高いので控え、低糖質の焼酎やホッピーなどで乗り越えました。運動嫌いまでは直せませんでしたが、食生活を変えただけで面白いように体重が落ちていき、1年間で26㎏の減量に成功! 4年経った今もリバウンドはなく、健康面の問題も改善されました。
自信を持っておすすめできる食事法ですが、実はとてもシンプルで当たり前のことばかり。上に掲げた疾病予防の食生活ルールと合致しています。食事を我慢することはストレスになるので、欠食は言語道断。無理なダイエットは抜け毛や老化促進にもつながります。忙しさを言い訳にし、コンビニ弁当や即席の一品料理ばかりを食べていると、糖質の摂りすぎになりやすく、濃い味つけは塩分の過剰摂取にもつながります。バランスよくいろいろなものを食べる、そんな当たり前のことが病気知らずの健康的な毎日を作り出すのです。
短期間で体重を落としたい人は、生野菜、加熱した野菜→肉・魚類のおかず→最後にごはんをほんの少しという食べ方を実践してみましょう。最後のごはんまでに満腹感が得られ、無理なく糖質を抑えられます。食べるときも、ごはんにもち麦を混ぜたり、パスタの半量は麺に見立てたエノキにするなど、ひと工夫を。また、肥満解消の食事に三大疾病予防の効果が期待される上記の食材を盛り込んでみましょう。
今、57歳の私は人生で一番おしゃれや外出を楽しんでいます。この気持ちは、男女でそう変わらないのではないでしょうか。昔のように走れる体になった、お気に入りだったジャケットにもう一度袖を通せた、そんな喜びが日々の暮らしを生き生きとしたものにしてくれます。食事を見直して自分を労り、健やかな毎日を楽しみましょう。
※記事内容は、執筆時点2020年8月1日のものです。
柳澤 英子(やなぎさわ えいこ)
再現しやすい簡単レシピに定評がある料理研究家。52歳で始めた独自の食事法をまとめた『やせるおかず 作りおき』(小学館)が話題に。近著に同シリーズの『冷凍からのレンチン! やせるおかず 作りおき』などがある。