もし認知症になったら
自分の資産はどう守る?

今は全部自分で決められるけど、もしも認知症などで判断能力が衰えた時はどうしよう…。そんな心配はありませんか。「任意後見制度」は、そんな場合に備えて元気なうちに支援者(任意後見人)や支援してもらう内容を決めておくことです。ぜひ知っておきましょう。

監修:

浅田 里花

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もし判断能力がなくなったら…「任意後見制度」

 認知症による判断能力の低下は、家計運営上も切実な問題です。親族が本人のためにお金を引き出すことは原則NG(銀行窓口に相談すれば対応する方針)。判断能力のあるうちに、成年後見制度の「任意後見制度」を検討してみましょう。

■任意後見制度とは

 判断能力がなくなった場合に備え、「任意後見人」を決めて公証人役場で任意後見契約を結び、業務遂行してもらうというもの。任意後見人は、家族や友人のほか、弁護士や社会保険労務士などに依頼することも可能です。実際に判断能力が低下した時は家庭裁判所に申し立てを行い、任意後見人がきちんと仕事しているかどうかを監督する「任意後見監督人」を選任してもらいます。

■見守り契約を同時に

 今はまだ大丈夫だけど、定期的に任意後見人から健康状況などを確認する連絡が欲しいといった場合、任意後見契約と同時に「見守り契約」を結んでおくといいでしょう。判断能力はあるけど体力的に厳しく、生活費のための預貯金の出し入れなどを頼みたいといった場合には、「財産管理委任契約」も結べます。そのふたつがセットになった「任意代理契約」でもいいでしょう。

※記事内容は、執筆時点2023年8月1日のものです。

浅田 里花(あさだ りか)
ファイナンシャルプランナー、株式会社生活設計塾クルー取締役。コンサルティングや新聞・雑誌などへの原稿執筆、セミナー講師を行う。東洋大学社会学部の非常勤講師としても活躍。代表的な著書に『Q&Aで学ぶライフプラン別営業術』(近代セールス社)など。

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