定年退職後の再雇用
年金ってどうなるの?

定年退職した後にそのまま再雇用で働き続けるスタイルが増えています。その場合の年金はどうなるのでしょうか?給与の額によっては支給停止になることもあります。ここでは、給与をもらいながら受給する「在職老齢年金」についてご紹介します。

監修:

浅田 里花

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働きながら公的年金がもらえる
支給停止の仕組みも

 働きながらもらう公的年金を「在職老齢年金」といいます。基本月額(年金年額の12分の1)と総報酬月額相当額(年収の12分の1)の合計額によっては、年金が全部または一部支給停止となります。
 2022年4月の制度改正により、60歳代前半の人の支給停止となる基準額がアップしています。基本月額と総報酬月額相当額の合計が48万円以下の場合は、年金は全額支給され、年金の減額はありません。

■「在職定時改定」の新設

 公的年金をもらいながら働く65歳以上の人も厚生年金保険料を納めていますが、2022年4月の制度改正以前は退職まで納めた保険料が年金額に反映されませんでした。新設の「在職定時改定」により、毎年10月に年金額の改定が行われ、その間に納めた保険料を反映させた年金がもらえるようになっています。

■雇用保険との併給調整

 「高年齢雇用継続給付」を受給すると、在職老齢年金との「併給調整」が行われ、最大賃金の6%にあたる額の年金が減額されます。高年齢雇用継続給付は2025年4月から段階的に縮少されるので、年金への影響は少なくなっていくと思われます。

※記事内容は、執筆時点2023年8月1日のものです。

浅田 里花(あさだ りか)
ファイナンシャルプランナー、株式会社生活設計塾クルー取締役。コンサルティングや新聞・雑誌などへの原稿執筆、セミナー講師を行う。東洋大学社会学部の非常勤講師としても活躍。代表的な著書に『Q&Aで学ぶライフプラン別営業術』(近代セールス社)など。

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