健康を脅かす“ウソ情報”に騙されないで!
ヘルスリテラシーを高めよう
ヘルスリテラシーとは、「健康や医療の情報を入手し、理解して、評価し、意思決定できる能力」を意味する言葉です。ヘルスリテラシーを高めるために、必要な情報のチェック方法をご紹介します。
魅力的な文言を鵜呑みにせず
自分で情報を精査しよう
情報社会の今、新聞や雑誌、インターネットなどには健康や医療の情報が溢れています。「〇〇で病気知らず」「がんは〇〇で治る」といった、魅力的な文言もそこかしこで見かけるでしょう。
しかし、これらの多くは特定の商品を購入させるための広告。中には医学的なエビデンス(証拠)がない情報や、悪質な詐欺も混在しています。
人間の思考には、「自分が信じたいことに関しては、それに都合のいい情報だけを集めてしまう」という「確証バイアス」があります。入手した情報を直観的に「いいな、信じたい」と思うと、そのメリットばかりが見えて、デメリットは見えなくなってしまうのです。ヘルスリテラシーが不十分だと、この確証バイアスのせいで、ウソの情報でも簡単に騙されてしまいます。
玉石混淆(ぎょくせきこんこう)の情報が溢れる中で、正しい判断をするには、情報の「信憑性」や「メリットとデメリットの両面」を精査することが重要です。面倒に感じるかもしれませんが、ウソを信じて健康を損ねてしまってはいけません。入手した情報は、下記の「か・ち・も・な・い」でチェックする習慣にしましょう。
■「か・ち・も・な・い」で情報チェック!
この方法は健康情報以外にも有効なので、ぜひ日常的に活用してください。
●監修者 中山氏作成の「か・ち・も・な・い」解説動画を公開中。YouTubeで検索!
※この記事内容は、執筆時点2023年6月30日のものです。
中山 和弘(なかやま かずひろ)
聖路加国際大大学院看護学研究科看護情報学分野教授。適切な情報に基づく意思決定や行動をケアする看護情報学、保健医療社会学が専門。著書に『これからのヘルスリテラシー 健康を決める力 』(講談社)など。