新型コロナウイルス関連で
収入がダウンした時の補償

新型コロナウイルスのパンデミックで、世界中が大混乱となっています。4月7日、日本でも東京をはじめとした7都府県を対象に、緊急事態宣言が出されました。実施期間はGW明けの5月6日までの約1カ月で、強制力はないものの外出の自粛が要請されたことにより、収入に影響が出てくる世帯も少なくないと考えられます。緊急経済対策も打ち出されましたので、これまでの支援策と合わせて見ておきましょう。

監修:

浅田 里花

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小学校の休校で仕事を休まざるを得なかった
「フリーランス」の休業補償は

 2月末に突如実施された臨時休校。それにより仕事を休まざるを得なかった保護者の休業補償が、すでに行われています。小学生までの子どもを持つ保護者(両親や祖父母、ほか子どもの世話を一時的に補助する親族)が対象で、休校にはならなかったけれども、コロナウイルスに感染、または感染した恐れがあるとして登校の自粛を求められた場合も補償対象となります。
 働く人を大きく分けると、会社などに勤めて給料をもらう「労働者」と、請け負った仕事の対価をもらう「フリーランス」、自分で会社や店を経営している「経営者・自営業者」の3種類になります。
 一般的に、「労働者」とくらべて「フリーランス」や「経営者・自営業者」の公的保障制度は手薄なのですが、今回の休業補償は、企業などから委託を受けて仕事をする「フリーランス」も対象となっており、日額4,100円の「新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応支援金」が定額で支給されます。
 思い当たる「フリーランス」の人は、厚生労働省のホームページから所定の申請書を入手し、厚労省が委託した学校等休業助成金・支援金受付センターに申請手続きを行いましょう。その際、住民票など保護者であることを証明する書類、臨時休業措置の講じられた日等を証明する書類、業務内容や報酬が確認できる発注者と締結した業務委託契約等を証明する書類(契約書やメールなど)が必要です。
※休業補償の対象期間:2月27日から6月30日まで・申請期間:9月30日まで

小学校の休校で仕事を休まざるを得なかった
「労働者」の休業補償は

 多くの人が「労働者」として働いていると思いますが、「労働者」の場合は「フリーランス」のように個人が直接申請する制度ではなく、勤め先が休業補償を行うかどうかに左右されます。
 そこで今回の臨時休校にあたって、すでに有給休暇を使い切った保護者が休んだ場合も欠勤扱いにせず、年次有給休暇と同様に賃金が全額支給されるよう対応する企業への支援策として、「新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金」が創設されています。
 労働基準法上の年次有給休暇とは別に有給休暇を取得させた事業主が支給対象となっており、「労働者」に補償される金額は、企業の規模や正規雇用・非正規雇用にかかわらず、日額8,330円が上限。しかし、様々な理由からこの助成金制度の利用を見送る、つまり休業補償をしない企業も少なくないようです。
 労働基準法第26条によると、「使用者の責に帰すべき事由による休業」の場合は休業期間中の休業手当(平均賃金の100分の60以上)を支払う義務があるのですが、今回のような新型コロナウイルス関連の不可抗力による休業は「使用者の責に帰すべき事由による休業」には該当しないと考えられ、支払い義務がないからです。(ただし、自宅勤務などの方法により業務に従事させることが可能なのに、使用者がそれを十分に検討するなど休業回避のため最善の努力を尽くしていないと認められた場合には、「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当するケースもある)。
 臨時休校により、やむを得ず年次有給休暇を消化するケースもあったと思いますが、そもそも年次有給休暇は、原則として「労働者」が請求した時に与えるべきもので、使用者が一方的に取得させることはできないとされています。
 もし、勤め先の対応が理不尽でとても納得できないといったことがあるなら、各都道府県の「新型コロナウイルス感染症に関する特別労働相談窓口」に相談してみましょう。

「生活支援臨時給付金(仮称)」による家計支援

 さて、緊急事態宣言とともに、過去最大規模の財政支出となる緊急経済対策が発表されました。「1世帯30万円」というインパクトのある金額が注目されていますが、支給対象は、世帯主の月収が2~6月のいずれかでコロナ発生前より減少(年収換算で※住民税非課税水準まで)した世帯や、半分以下に減少(年収換算で住民税非課税水準の2倍以下であることが条件)した世帯となっています。
 条件は厳しめですが、外出自粛の影響をモロに受けたレジャー関連業、飲食関連業、イベント関連業などでは、対象となる世帯がありそうです。
 手続き方法などまだ詳細が決まっていない部分もありますが、収入状況を証明する書類(2月~6月の任意の月の収入がわかる給与明細、雇い主からの証明書、帳簿の一部の写しなど)を添付して市区町村に申請すればOK。申請書は自治体窓口などでの配布のほか、HPでのダウンロードも想定されており、提出は郵送を基本としつつ、オンライン申請も検討されています。給付金は原則として本人名義の銀行口座に振り込まれます。
※住民税非課税水準とは、月収が下記の基準額以下
単身世帯  10万円
扶養親族等(扶養親族および同一生計配偶者)1人  15万円
扶養親族等2人  20万円
扶養親族等3人  25万円
扶養親族等の4人目以降は、基準額を1人当たり5万円加算
 30万円給付の対象にはならなくても、子育て世帯は児童手当の上乗せが受けられます。児童手当の次の支給月にあたる6月に1回かぎり、いまの支給額に加えて子ども1人あたり1万円が上乗せされます。5,000円の特例給付を受けている所得制限限度額以上の世帯は対象外となっています。
 今後の情勢によっては追加の支援策も打ち出されると考えられ、知らないと申請漏れなども起こりえるので、新型コロナウイルス関連の経済情報には目配りしておきましょう。

(追記 4月20日)
 収入が減少した世帯に1世帯当たり30万円の給付は撤回され、所得制限なく国民全員に1人当たり10万円が給付される見通しとなりました。これにより、たとえば4人家族なら40万円がもらえるわけです。
 所得が激減している世帯については、今後も追加支援策が出てくる可能性があります。

新型コロナウイルスに関する
家計支援まとめ

小学校の休校で仕事を休まざるを得なかった保護者への休業補償
 → 本文参照

休業や失業による生活資金不足に無利子の貸付制度
 → 生活福祉資金貸付制度における「緊急小口資金」「総合支援資金」の拡大

新型コロナウイルスに感染して仕事を休んだ場合の所得保障
 → 各健康保険制度(国民健康保険は自治体に要確認)の「傷病手当金」

国民全員に給付金
 → 10万円の現金給付

子育て世帯への支援
 → 現状の児童手当に1万円を上乗せして給付

売り上げが半減した中小企業・個人事業主(フリーランス含む)に給付金
 → 中小企業に最大200万円、個人事業主に最大100万円の現金給付


※2020年4月8日現在